男性不妊の原因

男性不妊とはどういう状態を指すのか、何が原因なのか 正しい知識を身につけましょう。

男性不妊とはどんなもの

男性不妊の症状とは

不妊症のうち、男性側に原因があるものを「男性不妊」と呼びます。男性が自覚できるものから検査しないとまったくわからないものまで、具体的な症状は以下があります。

  • 乏精子症…精液中に精子が少なく、精子濃度が1mlあたり1500万個に満たない症状
  • 射精障害…勃起はするものの、正常な射精が行えない症状。膣内射精障害や逆行性射精障害の他、早漏や遅漏もこれに含まれる
  • 無精子症…精液中に精子がまったく存在しない症状。100人に1人程度の割合で見られ、精巣に問題があり精子が作られない「非閉塞性無精子症」と精子は作られるが通り道が詰まる「閉塞性無精子症」がある
  • ED(勃起不全)…まったく勃起しない、あるいは挿入できるほど勃起しない障害のこと。原因の多くは心因性
  • その他、精子に元気がない…精液に関する各値が正常値に満たない状態。過去の精巣炎など病気の他、現在の生活スタイルが引き起こす場合も

精液検査の正常値

以下の正常値に満たなければ妊娠しづらい状態、すなわち男性不妊といえます。何らかの改善が必要です。

  • 精液量(射精1回につき)1.5ml
  • 精子の濃さ(1mlあたり)1500万個以上
  • 総精子数(1mlあたり)3900万個以上
  • 精子運動率 40%以上または高速に前進する精子が25%以上
  • 正常形態率(奇形でない率)4%以上

男性不妊を引き起こす3つの原因

男性不妊は、主に3つの原因によって引き起こされます。具体的にどんなケースか見ていきましょう。

造精機能障害

精子を作る機能がうまく働かず、精子の量が足りないまたはまったく作られない状態を「造精機能障害」といいます。男性不妊全体の70%がこれにあたります。

造精機能障害に繋がる要因

  • 耳下腺炎性精巣炎…流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)のウイルスにより精巣炎が起こり、精子を作る組織がダメージを受ける
  • 清策静脈瘤…精巣からの静脈の血液が滞ってこぶのようになり、精巣の温度上昇を引き起こし、精子が作られにくくなる
  • 停留精巣…精巣が腹腔内やそけい部にとどまり、陰嚢内に降りてこない先天異常。精子がうまく形成されない
  • 染色体異常、遺伝子異常…無精子症や重症の乏精子症を引き起こす先天異常
  • 脳下垂体異常…脳下垂体ホルモンが低いため、精子が作られない状態。ホルモン剤による治療が必要

造精機能障害は原因が明らかな場合もありますが、実際は病気を特定できず、確かな原因がわからないケースが大半です。軽度の場合は、生活習慣の見直しや男性妊活を意識した食生活によって改善する人も多くいます。

精路通過障害

精子が通る静管が欠けていたり、部分的に(あるいは完全に)詰まっていたりすることにより、無精子症や乏精子症になることを「精路通過障害」といいます。 原因には生まれながらに精管がない精管欠損の他、精巣上体の炎症による精管の閉塞などがあります。治療には、閉塞している部分をつなぎ合わせる手術が必要となります。

逆行性射精

精液が尿道から射出されず、膀胱がわに射出される状態を「逆行性射精」といいます。糖尿病が原因となっていることが多いため、治療には内科的な検査も合わせて必要となります。


不妊原因の約50%は男性側にもあり

WHO(世界保健機構)の調査によると、不妊原因について女性のみは41%、男性のみは24%、男女ともに原因があるのは24%です。つまり、約50%は男性側にも問題ありという結果です。 これまで日本では不妊の原因を女性に求める観念が強かったのですが、この数字は男性が積極的に妊活をすることがいかに大切かを表しています。

また、夫婦関係という点でも、男性が妊活に無関心なのは決して良いことではありません。妊活は、男性も女性と「一緒に」始めることが大切です。