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辛い不妊治療に泣く妻に夫はどう向き合うべき?

コラムイメージ写真

妊娠・出産のための1つの手段として行われる不妊治療。

なかなか妊娠ができず不妊治療の期間が長くなると、こんなに頑張っているのになんで妊娠できないの…などと辛くなってしまうこともありますよね。

特に身体的負担が大きくなるのは女性の方。どうやって向き合うか悩まれている男性も多いのではないでしょうか?

今回は不妊治療が辛く悩んでいる妻に、どう夫は向き合うべきか、体験談を交えて紹介します。

一般的に不妊治療にかかる期間

そもそも不妊治療にはどれくらいの期間がかかるのでしょうか?

不妊治療は最初タイミング法から始め、人工授精体外受精顕微授精とステップを移行していきます。

そのうちタイミング法や人工授精などの一般不妊治療を行う期間の平均は約2年ほどです。

40~45歳を境に不妊治療を諦めるカップルが多い

妊娠において年齢の壁はとても大きく、35歳を過ぎると妊娠できる確率は顕著に下がり始めます。

不妊治療で妊娠できる確率は、30歳で19.9%、39歳で10.2%と10%台なのに対し、40代では以下のようになります。

年齢不妊治療で妊娠できる確率
40歳7.7%
41歳5.3%
42歳3.7%
43歳2.0%
44歳1.3%
45歳0.6%
40代の不妊治療で妊娠できる確率

このように40歳を超えると特に妊娠できる確率が少なくなるため、40~45歳で不妊治療を諦めるカップルも多いのです。

妻が感じる不妊治療の辛さ

では実際、不妊治療のどのような部分に辛さを感じるのでしょうか?

具体的な女性の意見に注目してみましょう。

妊娠できるかわからないのにお金や時間をかけること

不妊治療は長い期間かかることが多く、そのうえ続ければ確実に妊娠できるというものではありません。

また、ステップが移行するごとに通院回数も増えるほか、治療費も高額になり、体外受精・顕微受精などは約40万円以上にもなります。

妊娠のためとはいえ、不妊治療を続けることでお金や時間がかかってしまうことに辛さを感じてしまう方は多いようです。

ホルモンバランスの影響で落ち込みやすくなること

女性はPMS(月経前症候群)に代表されるように、ホルモンの影響で落ち込みやすい時期があります。

これは不妊治療も例外ではなく、妊活うつ・不妊うつという言葉で表されるように、うつに近い状態になってしまうことがあります。

特に月経がくる頃や妊娠判定の頃は女性ホルモンが低下し、気持ちが不安定になりがちです。不妊治療中は生活の上でも様々なことに気を遣っており、精一杯努力しているのになかなか結果が出ないことで、欠落感を感じたり、先が見えない苦しさで落ち込みやすくなります。

また、ホルモンバランスの乱れは気分の落ち込みだけでなく、頭痛や肩こり、倦怠感など身体的症状として現れることがある他、不妊治療の場合、ホルモン剤の使用によって吐き気や嘔吐・食欲不振など多くの身体的負担がかかっています。

仕事と不妊治療の両立が難しいこと

不妊治療が長く続くとそれだけ通院の回数も増えてしまい、仕事の合間に時間を取るなどの両立が難しくなってしまいます。

また職場の上司や同僚に「不妊治療をしている」と伝えるのもなかなか難しく、そのため不妊治療のために仕事を休む・早退するなどが伝えづらい、という声も耳にします。

不妊治療は続けたいのに時間が取れない…仕事とのタイミングが悪く通院がしづらい…という点が辛さの一因にもなるのです。

夫が言ってしまう、妻が傷つく一言

女性がこういった辛さを感じている時、良かれと思って言っても傷ついてしまう言葉があります。

例えば「辛いなら休めば?」「君がしたいようにしなよ」といった当事者意識のない発言は、「辛い中でも頑張ってるのに」「他人事みたいに言わないでほしい」と感じてしまうかもしれません。

妊娠は女性がするものだからと言って、不妊治療は女性に任せるものではありません。夫婦2人で一緒に頑張るという考えを忘れないようにしましょう。

「少し休んでみたら?」「そんなに焦る必要ある?」といった一言も、治療のために時間を割いているのに…などと自分の努力を否定されたように感じてしまいます。

また、「〇〇さん子ども生まれたらしいよ」といった周りの話題も、プレッシャーに感じたり、私はこんなに頑張っているのになんで…と劣等感を感じてしまう場合があります。

そんなつもりはなくても、女性の努力を否定したり、他人事のような発言は避け、むしろ一緒に頑張ろう、などと安心してもらえる言葉を意識するのがとても大切です。

男性の精子の状態も少なからず妊娠に影響しますので、夫が妻とともに生活をととのえる努力を示すことでも、同じ目標に向かって一緒に頑張っていることを感じてもらえるでしょう。

本当に辛い時は休むことも大事。ただ伝え方に注意!

もちろん本当に辛い時は休むべきです。

辛いのに無理をして続けて、その結果からだを壊しては元も子もありません。

その際大事なのは伝え方。休むよう提案する中でこれまでの治療を否定するような伝え方は避けましょう。

例えば「2人の時間がまだ必要ってことだね。のんびり頑張ろう」「夫婦ふたりの人生も楽しいよ。きっと!」といった明るく、前向きな言葉です。

妊娠ができないことを悲観するのではなく、一旦2人の時間を作ろうという提案など、女性を傷つけず、思いやった伝え方を心掛けましょう。

不妊治療を続けるか迷う人が考えるべきこと

長く不妊治療を続けても妊娠ができない場合、このまま治療を続けるべきか迷うことがあるかもしれません。

そんな時はどのようなことを考えればいいのでしょうか?

〇歳までと妊活のリミットを決める

1つは妊活・不妊治療にリミットを設けることです。

不妊治療は、いつまで続けなければいけないのか…と終わりが見えないことが不安や負担に感じることもあります。

そのため1度リミットを決め、そこまでは治療を頑張る、という取り組み方にすることで区切りがつけやすくなるかもしれません。

◯歳という決め方のほか、移植◯回まで、使える金額◯円までなどがあります。

妻一人ではリミットを決めるのに悩みがちですので、夫婦で話し合って一緒に決めると夫婦の人生を二人で決めることになり絆も強まります。

子どものいない人生を前向きに受け止める

2つ目が、子どものいない人生を前向きに受け止めることです。

子どもがいないということは、ポジティブに考えればパートナーとの2人の時間が増えるということです。

また、経済的にも余裕が生まれるでしょう。

このように子どものいない人生についても前向きに受け止めてながらお互いの気持ちを率直に話し、今後リミットを決める場合も含め、どちらとも夫婦でしっかり話し合い、合意の上で進めるようにしましょう。

長引く不妊治療、妻を支えた夫の体験談

最後に、不妊治療に挑戦した夫婦の男性側の体験談をご紹介します。

永遠に感じた不妊治療。それでも二人三脚で妊娠という目標へ

私には現在2人の息子がいますが、1年4カ月間かかった1人目の不妊治療期間は、永遠に続くのではないかと感じるほど長いものでした。

その理由は当時、いつ妊娠してもおかしくない検査数値が出ていると言われていたにもかかわらず妊娠ができなかったからです。

具体的な原因があるわけではないため、「出口のないトンネル」とはまさにこのことかと感じました。

当時を振り返ると、仕事を早上がりして一人でクリニックに行ったり、急に決まった場合には仕事の調整をしたりなど、妻は本当にストレスのかかる治療をしていたのだと思います。

けれども私は良い意味で、不妊治療という機会を夫婦のためにうまく利用する形をとっていたのだと思います。

クリニックの待ち時間に他愛もない話をし、治療が終わればランチや翌朝のパンを選んだりと、通院をいつものデートの延長線上のように捉えていたのです。

また「短期的な結果を求めるのではなく、気負わず、ストレスを溜めずに長期戦に備えられるメンタルを整えていこう」という思いを念頭に置いていました。

二人で共通の目標は一致させつつも、二人三脚で話し合いながら、その道のりを一緒に並んで歩いて行けたことは、よかったと感じています。

流産をきっかけに不妊治療へ、無我夢中で過ごした不妊治療体験談

結婚をして2年、妻から妊娠の嬉しい報告を聞き喜んだのもつかの間、その1週間後には化学流産という悲しい結果が待っていました。

その後、1日も早く赤ちゃんが欲しいという想いで不妊専門クリニックの門を叩くことに。

人工授精にステップアップしますが、こちらも結果が出ない日々を過ごし、通っているクリニックとのずれを感じ別のクリニックへ転院。

そのクリニックでは初診で先生が、開口一番に「半年以内でなんとかします。ダメならまた他の方法を考えますから頑張りましょう」と心強い言葉を掛けてくれました。

そして2回目の体外受精でついに念願の妊娠ができました。

今思うと、治療中は無我夢中で過ごした期間だったと思います。

僕も妻もお互いに落ち込んだり、不安になったりしましたが、常日頃からとことん話し合って、目指す方向を確かめ合っていました。

不妊治療において男性ができることは、やはりシンプルに奥さんの話を聞いてあげることだと思います。

まとめ

不妊治療中は気分が落ち込みやすいもの。そんな時のパートナーからの言葉は気持ちが楽になったり救われる一方で、ふとした一言で傷ついてしまうこともあります。

話し合うこと、声をかけることはとても大切ですが、パートナーがいまどのような状況なのか、どんな気持ちで取り組んでいるかを理解することもとても大切です。

二人三脚で妊娠という目標へと進んでいくためにも、普段からコミュニケーションを大切にし、お互いを理解して少しずつ進んでいけるよう心掛けましょう。

本記事の執筆者

ベビーライフ研究所編集部

ベビーライフ研究所編集部
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私たちが長年培ってきた妊活の知識や経験を活かして、より多くの方に正しい情報を発信いたします。

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本記事の監修者

大石 明代(おおいし あきよ)
看護師歴17年。
正看護師。静岡県出身。
静岡県立国際関係学部卒業。
社会人経験を経て看護学校に入学。卒業後、看護師となる。
現在産婦人科クリニックに勤務。自身も不妊治療経験者。
高度生殖医療は卵子と精子を出会わせてくれる手段であり、大切なのは自身の身体の力を高めること。
言われるがままの不妊治療では心身共に疲弊し、金銭的な不安も大きくなることから、妊娠の土台となる普段からの食事や運動、睡眠、心の持ち方が大事と考え、妊娠する力を高めるための発信の他、マンツーマンでの講座や施術を行っている。

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