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男性妊活にはコエンザイムQ10を!精子の運動率への影響や上手な摂取方法

コラムイメージ写真

男性不妊サプリメントに配合されていることが多いコエンザイムQ10ですが、どのような働きをするのでしょうか?コエンザイムQ10というとアンチエイジング効果という印象が強いのですが、男性不妊との関係について確認してみましょう。

コエンザイムQ10とはそもそもどんな成分?

まずコエンザイムQ10とはどのような成分なのかを確認しましょう。コエンザイムQ10はビタミン様物質で脂溶性であり、体内でも合成されていますが、肉、魚、オリーブオイル、ナッツ等の食品にも含まれている成分です。

コエンザイムQ10はもともと心疾患の医薬品原料として量産化されましたが、身体の錆の原因となる活性酸素を除去する高い抗酸化作用に優れていることやエネルギー生産の促進作用が注目され健康食品でも使われるようになりました。

精子はこの活性酸素に弱く、活性酸素の濃度が高くなると精子の運動率が低下してしまう他、精子の数が減少したり、精巣が活性酸素にダメージを受けることで男性ホルモン・テストステロンの分泌量が減り、性欲や勃起力の減退に繋がったりする可能性があるのです。

そこでコエンザイムQ10を摂取し、活性酸素を除去することで、ストレスから精巣、精子を守り、精液・精子の質が改善するという結果が得られると考えられているわけですね。

コエンザイムQ10は精子の運動率改善効果あり

男性不妊の原因として多いのが精子に問題があるというケースです。その中でも精子の運動率が低下してしまうことを精子無力症と呼んでいます。

全体の70~80%程度の精子が運動しているのが正常な状態なのに対して精子無力症の場合は十分な運動ができる精子が40%未満と低い水準になっています。これでは女性の膣内に放出された精子が卵子までたどり着くことが難しくなり、不妊へつながると考えられています。

精子無力症を含む原因の特定が難しい造精機能障害の場合は対策が難しく、治療についてもやはり難しいのが現状です。

そこで注目が集まるようになったのがコエンザイムQ10。イタリアのPolytechnic University of Marcheで行われた研究によると、1日200mgのコエンザイムQ10を6ヶ月間男性不妊で悩む患者に摂取してもらったところ、精子細胞内部や血中のコエンザイムQ10濃度が高まり、精子の運動率が改善されたとの研究結果が得られています。

これ以外にもコエンザイムQ10を3ヶ月~6ヶ月間継続して摂取したところ、精子・精液の改善を確認できたとする研究報告が多数あることから、男性不妊サプリにコエンザイムQ10が配合されるようになったのです。

コエンザイムQ10はエネルギー生産にも不可欠!

コエンザイムQ10が注目されるもう一つの理由がエネルギー生産です。細胞が使用するエネルギーは細胞の中にあるミトコンドリアで生産されますが、その際にコエンザイムQ10が必要になります。

精子はDNA情報も持った核が収納されている頭部、エネルギーとなるミトコンドリアが入っている中部、動いて推進力を持つ尾部の3つの部分に分かれていますが、中部のミトコンドリアからエネルギーを得て卵子へ向かい進んでいきます。

コエンザイムQ10はミトコンドリアのエネルギー生産をサポートしながらエネルギー生産の際に発生する活性酸素を除去する作用をしてくれるのです。

コエンザイムQ10をサプリメントで摂取する理由は?

このように、高い抗酸化作用が精子・精液の改善に効果が期待できるとされるコエンザイムQ10は積極的に摂取したいですよね。しかしながら、食事では十分量摂れなません。

ハーバード大学が行った男性不妊患者と食事からのコエンザイムQ10の摂取量と精子の質の関係についての研究によると、食事から摂取したコエンザイムQ10 の1日あたりの平均摂取量は20mg程度でした。

精液所見の改善を確認できた際のコエンザイムQ10の1日あたり摂取量は200~300mg。しかし、この研究で投与された量のコエンザイムQ10を食事だけで摂取することは難しいです。

食事だけで200mg~300mgのコエンザイムQ10を摂取しようとするとカロリー過多の偏った食生活になってしまい、健康へのデメリットの方が大きくなります。

そのため、食生活はバランスのとれた食事を心がけ、必要なコエンザイムQ10はサプリメントという形でしっかり摂取する、という方法が推奨されているのです。

コエンザイムQ10だけではダメ!男性不妊サプリの選び方

このように抗酸化作用を発揮して活性酸素により、精子を守ってくれることが期待されるコエンザイムQ10ですが、これには酸化型と還元型の2種類があります。還元型の方が吸収効率が高いので、男性不妊サプリメントを選ぶ際には還元型コエンザイムQ10が配合されているものを選んで下さい。

また、コエンザイムQ10以外にも亜鉛、ビタミンEの他、必要な栄養素が配合されているものが望ましいでしょう。

男性不妊サプリは継続して摂取することで改善が期待できるものですから、費用の面でも継続できるものが良いですね。品質、費用両面から検討し、男性不妊サプリを選んでセルフケアしましょう。

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【この記事の監修】

江夏 徳寿(えなつ のりとし)

医師、英(はなぶさ)メンズクリニック 院長。鹿児島大学医学部卒業、神戸大学大学院医学研究科卒業。生殖医療専門医。泌尿器科専門医。指導医。
大学卒業後、済生会福岡総合病院にて研修医として従事。その後亀田総合病院にて泌尿器科後期研修医プログラムを終了し、より専門的な分野を学ぶために神戸大学附属病院へ転職。
男性不妊を専門として臨床経験を積む傍ら、神戸大学大学院へ進学し研究にも従事した。
大学院卒業後は神戸大学にて教鞭をとりつつ、泌尿器科全般の臨床に従事し、腹腔鏡手術の技術認定医も取得。
神戸医療センター西市民病院副医長を経て、専門分野をより深く極めるために英ウィメンズクリニックへ就職。
男性不妊に留まらず、不妊をトータルで診療するために、婦人科診療も行っている。

二宮 英樹(にのみや ひでき)

医師、データサイエンティスト。福岡県出身。東京大学医学部卒業。専攻は公衆衛生学。
東京大学医学部卒業後、関西医科大学枚方病院、セレオ八王子メディカルクリニックなどで診療に従事。薬や手術に頼るだけではなく、コミュニケーションや触れ合いを活かした診療をモットーに患者との対話を重視する一方、データサイエンティストという異色の肩書きを持ち、医療技術や医薬品などの有効性について原典にあたり、評価手法やデータの有効性について常に確認を欠かさない。
地域包括ケア研究所にて医療局長を務め、医療者として地域社会のひとりひとりのための医療や正しい知識の普及活動に従事している。これまでヘルスケアメディアを通じて、正しく、分かりやすい健康情報の発信に携わってきており、医療や健康は一人ひとりの個人差がとても大きいため、個人にあわせた情報を記事で発信することの難しさを実感。情報を丁寧に紐解くことで、自分にあった正しい情報が分かるような発信を心がけている。

阿部 裕紀(あべ ひろき)

薬剤師。東京都出身。星薬科大学薬学部卒業。専攻は薬物治療学。
現在、化粧品会社に製造責任者という立場で品質管理などに携わる傍ら、薬に頼らないセルフケア(予防)を追求し、啓蒙活動を行う。ドラッグストアでの勤務経験を活かし、ライフスタイルに合わせた健康食品やサプリメントのアドバイスなども行う。 個人的には、薬はあまり好きではなく、自然なもの(食品に近いもの)で身体の不調を治すことを常に考え、アドバイスを行っている。

本記事の執筆者

ベビーライフ研究所編集部

ベビーライフ研究所編集部
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