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妊活中男性の禁欲期間は短いほうが良いという場合も。男性不妊の対策や改善をご紹介。

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【監修】

江夏 徳寿:
医師、英(はなぶさ)メンズクリニック 院長。鹿児島大学医学部卒業、神戸大学大学院医学研究科卒業。生殖医療専門医。泌尿器科専門医。指導医。

二宮 英樹:
医師、データサイエンティスト。福岡県出身。東京大学医学部卒業。専攻は公衆衛生学。

※詳細プロフィールは記事の最後に記載しております。

妊活を始めたけれど、自然にはなかなか子どもが授からない。

そんな時、男性側が産婦人科や泌尿器科等で精子の状態を調べる検査に、「精液検査」と「フーナーテスト」というものがあります。

「精液検査」は一回の射精で得られる精液の量と、精液内の精子の状態を知ることができ、精子の運動率や異常のある精子の割合なども分かります。具体的な採取方法は、病院に精液採取室を用意しているところもありますが、自宅で自身で採取し、数時間以内に病院に届ける方法もあります。

一方の「フーナーテスト」では、性交後、女性の子宮頸管の粘液を採取し、精子の状態を確認します。放出された精液中の精子の数や運動率だけでなく、女性の体内に射精された後の精子が生存して動き続けているかどうかが分かります。
排卵日前後に性交渉して、病院で女性の体から注射器で採取します。一回のフーナーテストでは、たまたま悪い結果が出てしまう可能性があります。複数回の検査を繰り返すことで、より正確な結果を知ることができます。

男性の場合、その日の体調やストレス、睡眠状態などによって検査結果が大きく左右されることがあります。そのため数回の繰り返しの検査が必要となって来るわけです。
ただその結果、人工授精を病院側から勧められるような場合であっても、その後、自然妊娠で子どもを授かることがかなりあります。というのも、繰り返しになりますが、男性の精液の状態は、かなり変化がみられるからです。精神的なこともかなり影響があるため、「臨床的根拠」がないものが多く、医師でも言及できない部分があるのです。
一般的に男性不妊に対して良いとされている方法を紹介します。

精液を改善するための方法

まず何より食べ物は私たちの体を作る要です。男性妊活でも食生活を見直すことで、健康な精子を生成し、結果的に女性が妊娠しやすくなる条件を満たすことができます。
具体的には、一日のカロリー摂取量を調整し、なるべくビタミンC、D、Eや亜鉛、カルシウムを十分摂取できるように心がけましょう。なかなかふだんの食べ物から摂り辛いようであれば、錠剤や粉末のサプリメントで不足分を補うこともできます。
ちなみに男性妊活向けのサプリメントでは、マカや葉酸が有名です。

コンビニ食やスーパーの総菜、ジャンクフードなどはできるだけ控えてください。添加物を含んだ食品は、精子に影響があると言われているからです。もちろん、暴飲暴食や不規則な食事も避けるようにしましょう。

そして男性妊活の天敵は、ストレスです。男性の生殖機能は女性に比べるとシンプルですが、それだけに精神的なことが大きく影響してしまいがちです。生活環境を変えていくことで、うそのように精子の運動率が上がったりその数が増えることがあります。
また、妊活自体にプレッシャーを感じてしまっては元も子もありません。ストレスを溜め込まないよう生活環境を改善するのがいいでしょう。規則正しい時間で起床し就寝する。過労はもってのほかです。

さらに男性の場合、下半身をジーンズやボクサーパンツなどで締め付けず、緩めのパンツやトランクスを履くことをお勧めします。下半身を圧迫すると、血液の循環が悪くなり、生殖機能を低下させる可能性があります。バイクや自転車の長時間運転もまた、睾丸を温めたり精巣を圧迫すると言われています。精子に影響があり、運動率が低下したり異常のある精子が増えるとされています。サウナや長風呂もこの時期はしないほうがいいでしょう。

電磁波にも気をつけてください。都市では電車や街中でスマートフォンや携帯電話を見ない日はありませんが、これらの機器をズボンのポケットに入れないようにするほうがよいでしょう。膝の上にノートパソコンやタブレットを置くのも、電磁波や機器の熱の影響があるので避けましょう。

女性は体を温めるほうが妊娠しやすくなりますが、男性の場合、逆に下半身はふだんの体温より若干冷えているぐらいがいいほどです。精子は体温よりも少し低いくらいの温度で、1番活発に運動できることがわかっています。

ほか精子に影響を及ぼす可能性のある、たばこの喫煙、過度のアルコールやカフェイン入り飲料の摂取は、妊活ばかりかほかの病気も引き起こしかねません。せめて妊活のための数カ月間だけでも控えめにしておきましょう。但し、妊活中のたばこは禁煙をお勧めします。そのほかふだん服用する薬があれば、妊娠に影響がないかどうかを医師に確認しておいたほうがいいでしょう。妊活のためのサプリメントについても成分が、薬と合うかどうか尋ねておくほうが無難です。

禁欲期間が短いほど精子のDNA損傷率は低い。

こうして挙げてみると、男性もまたずいぶん妊活中に制限されることが多いように感じられるかもしれません。ですが、可愛い未来の子どもに出会うためです。また長い人生の中の僅かな期間の話とも言えるでしょう。
そして一つだけ朗報があるとすれば、「禁欲期間」が短いほど、精子のDNAの損傷率が低いという報告があります。精子を溜め込まず、夜の営みを奥様と楽しみながら、のんびりした気持ちで妊活を行っていただければと思います。

【この記事の監修】

江夏 徳寿(えなつ のりとし)

医師、英(はなぶさ)メンズクリニック 院長。鹿児島大学医学部卒業、神戸大学大学院医学研究科卒業。生殖医療専門医。泌尿器科専門医。指導医。
大学卒業後、済生会福岡総合病院にて研修医として従事。その後亀田総合病院にて泌尿器科後期研修医プログラムを終了し、より専門的な分野を学ぶために神戸大学附属病院へ転職。
男性不妊を専門として臨床経験を積む傍ら、神戸大学大学院へ進学し研究にも従事した。
大学院卒業後は神戸大学にて教鞭をとりつつ、泌尿器科全般の臨床に従事し、腹腔鏡手術の技術認定医も取得。
神戸医療センター西市民病院副医長を経て、専門分野をより深く極めるために英ウィメンズクリニックへ就職。
男性不妊に留まらず、不妊をトータルで診療するために、婦人科診療も行っている。

二宮 英樹(にのみや ひでき)

医師、データサイエンティスト。福岡県出身。東京大学医学部卒業。専攻は公衆衛生学。
東京大学医学部卒業後、関西医科大学枚方病院、セレオ八王子メディカルクリニックなどで診療に従事。薬や手術に頼るだけではなく、コミュニケーションや触れ合いを活かした診療をモットーに患者との対話を重視する一方、データサイエンティストという異色の肩書きを持ち、医療技術や医薬品などの有効性について原典にあたり、評価手法やデータの有効性について常に確認を欠かさない。
地域包括ケア研究所にて医療局長を務め、医療者として地域社会のひとりひとりのための医療や正しい知識の普及活動に従事している。これまでヘルスケアメディアを通じて、正しく、分かりやすい健康情報の発信に携わってきており、医療や健康は一人ひとりの個人差がとても大きいため、個人にあわせた情報を記事で発信することの難しさを実感。情報を丁寧に紐解くことで、自分にあった正しい情報が分かるような発信を心がけている。

本記事の執筆者

ベビーライフ研究所編集部

ベビーライフ研究所編集部
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