1. トップ
  2. 妊活お役立ちコラム
  3. 男性妊活
  4. 精子に良い食べ物は?質や運動率を上げる食生活とサプリ活用法

精子に良い食べ物は?質や運動率を上げる食生活とサプリ活用法

コラムイメージ写真

私たちは身体に不足している成分があると感じた場合、食べ物から補います。たとえば熱中症や脱水症状。そんなときは、水分補給をして、塩分も補いますよね。では精子の質や運動率の低下がみられた時、どんな食べ物を補えばよいのでしょうか。この記事では精子を作っている食べ物や運動率を上げる食べ物など妊活において重要な食生活習慣の見直しについてと、男性が良い精子を作るためにサポートしてくれるサプリメントについてご紹介します。

精子ができるまで

精子の質を高めるといっても、どんな栄養素が必要なのでしょうか。それにはまず、精子がどこでどうやって作られるのか、何から作られているのかということからひも解いてみましょう。

精子は、精嚢(せいのう)の中で精原細胞という細胞から分裂を繰り返して作られます。精子はとても熱に弱いため、精嚢は陰嚢(いんのう)に包まれて体外にぶら下がる状態で温度調節をされています。精嚢では精子が約74日間かけて原細胞から成長していくのです。

精子は、ご存じのように「オタマジャクシ」のような形をしています。頭の部分には、重要なDNA情報が詰まっているほか、卵子の表面にある透明帯という部分を溶かすための酵素を吹き出す能力などが備わっています。
一番後ろに生えているのは、鞭毛(べんもう)というシッポです。精子はこのシッポを一生懸命動かして、ひたすらに前進運動を行います。前へ前へ、上へ上へと進むことで、子宮の奥にある卵管の最も奥まで泳ぎきらなくては受精できないからです。
さらに頭部と鞭毛の間にはミトコンドリアが集まっている部分があり、ここがエンジンになっています。ミトコンドリアが動力を生み出し、鞭毛がしっかりと動いて泳ぐ力を得るのです。

正常で元気な精子が作られるためには、正常な細胞分裂が活発に行われることが必要です。またDNA情報を正確にコピーする能力も、身体に備わっていなくてはなりません。もちろん精子の原料となるタンパク質も必要です。

正常な精子の生成を阻害する因子<要注意>

精子が正常に作られないということは、正常な生成を阻害する因子が何かあるということですよね。精索静脈瘤(せいさくじょうみゃくりゅう)やおたふく風邪などの病気や、精管の欠損といった身体的な問題以外に、どういった因子が精子の正常な生成を妨げてしまうのでしょうか。

・亜鉛などのミネラル・ビタミン不足
・ストレス
・加齢・老化
・血行不良
・パワー低下
・飲酒
・喫煙
・膝の上でのPC操作や熱いお風呂・サウナなどによる熱刺激
・過度の自転車こぎによる刺激
・きつい下着による締め付け
・AGA治療薬であるプロペシア(フィナステリド)

亜鉛などのミネラル・ビタミンが不足すると、健康な精子の生成に影響が及びます。ミネラルやビタミンは、身体がパワーを作り出したり、細胞分裂などを行ったりするために欠かせない成分だからです。
これらの因子は、食生活の改善によって変えていけるものです。野菜不足や栄養のかたより・食生活の乱れによる、現代社会に生きる人ならではの因子と言えますね。

ストレスや加齢は活性酸素をたくさん生み出し、細胞に傷をつけます。飲酒や喫煙も活性酸素を生み出す要因です。ミネラル・ビタミン不足やストレスといった活性酸素の発生は、血行などにも悪影響を与えます。特に喫煙は問題です。こちらはあまり食生活と関係がないように見えるかもしれません。しかし活性酸素や血行不良などに対抗するためには、食生活の改善が欠かせないのです。特に社会で多大なストレスと闘っている男性には、大いに関係する問題です。

膝の上でのPC操作や熱いお風呂・サウナなどによる熱刺激は、熱からせっかく守っている精嚢に熱による刺激を与え、精子の生成を妨げます。また自転車こぎによる刺激や、きつい下着による締め付けなども精嚢を刺激するためよくありません。

AGAの治療薬として知られるプロペシア(フィナステリド)を服用していると、精子の状態が悪くなります。プロペシアの副作用として「男性不妊症・精液の質低下(精子濃度減少、無精子症、精子運動性低下、精子形態異常等)」などが添付文書に記されるようになりました。こちらは食生活習慣というより、生活習慣の改善が必要な因子ですね。食生活改善と並行して、思い当たる点がある方は妊活の間だけでも良いので、こうしたクセや趣味を一時ストップしてみましょう。

正常な精子を作るための栄養素・食べ物

正常で元気な精子を作る手助けをしてくれる成分にはどんなものがあるのでしょうか。精子の量や運動率や奇形率など、精子の「質」が検査結果で気になった方、また検査は受けていなくてもこれから妊活のために体質を改善していきたい方など、意識して食べてみてくださいね。

亜鉛

亜鉛はアメリカで「セックスミネラル」と呼ばれるほど、男性の性的能力に欠かせないミネラルです。精子を正常にたくさん作ったり、テストステロンという男性ホルモン生成などにも関わったりすると言われているミネラルです。男性ホルモンに関係するため、不足すると性欲減退にもつながります。亜鉛は細胞分裂やDNA複製、新陳代謝、タンパク質合成に欠かせません。そのため、細胞分裂を経て作られる精子の生成や、性ホルモンの合成など、男性の性的活動の根底から関わっています。普通の食生活を送っていれば不足しにくいとも言われていますが、現代社会を生きる人々の乱れた食生活では、不足する可能性は否めません。

さらに、食品添加物として使用される化学系成分・ポリリン酸やリン酸塩などを多く摂取していると、亜鉛の吸収が阻害されてしまいます。またアルコールとも相性がよくありません。ジャンクフードやインスタント、飲み会ばかりで食事を済ませていると、亜鉛が不足するかもしれません。
亜鉛を多く含んでいるのは、カキやホヤ、ズワイガニ・カラスミ・ホタテなどの魚介類です。さらに牛肉の赤身部分や豚のレバーにも多く含まれます。納豆にも含まれているので、こうした食品を少しずつ食事に取り入れていきたいですね。またサプリで知られるマカには、亜鉛と相性の良いセレンと一緒に含まれています。

コエンザイムQ10

コエンザイムQ10は、アンチエイジング系の美容製品や健康食品などによく使用されているので、名前を知っているという方も多いと思います。でも、実際どんな働きをする、どんな成分なのか、いまいちよくわからない成分として覚えているかもしれません。
コエンザイムQ10は、補酵素と呼ばれる物質のひとつです。ヒトの身体の中では、特にミトコンドリアにたくさん存在しています。ミトコンドリアがエネルギーを作り出すために欠かせない成分です。ミトコンドリアは細胞の中に存在するエネルギー工場ですが、特に代謝が活発な細胞にはたくさん存在します。

ミトコンドリアは、精子の身体の中心部分に集中し、シッポである鞭毛を動かすエンジンとしても働きます。そこでエネルギーを作り出すためにも、コエンザイムQ10が必要となります。コエンザイムQ10は人体で生成されますが、それだけでは足りません。また食べ物からの吸収率も悪く、サプリメントで補うことがもっとも手軽な方法です。コエンザイムQ10には強い抗酸化作用もあります。抗酸化作用が強いと活性酸素を除去する力が強いため、酸化や老化に傾く身体を支え、精子の質を高めたり運動率を良い状態に保ったりする働きもあると考えられています。

コエンザイムQ10には還元型と酸化型があり、これまでは酸化型コエンザイムQ10が主に使用されていました。しかし体内に入ってから還元しなければならないため、結局摂取量よりも少ない量しか体内で働いてくれません。一方、還元型コエンザイムQ10は体内でそのまま使用され、ムダがありません。サプリメントを選ぶときコエンザイムQ10の配合量だけではなく、還元型であるか酸化型であるかを確認することが重要です。

クレアチン

クレアチンは、筋肉ととても関わりの深い成分です。筋力や瞬発力など、運動パフォーマンスを高めるためには欠かせません。精子の運動性にも非常に関係の深い成分です。精子の運動性の持久力を高めてくれるため、検査で精子の運動率の悪さを指摘された方は、積極的に摂りたい成分です。

クレアチンは過剰摂取すると心臓や腎臓に負担がかかります。また激しい筋トレやスポーツを日常的に行っていると、筋肉の活動にクレアチンが使用されてしまうため、不足してしまいます。普通の食生活を送っていれば食事から充分な量を摂取できるのですが、サプリで補っている方や筋トレなどを日課にしている方は、バランスに気を付けましょう。
クレアチンは豚肉や牛肉などの赤身肉や、まぐろ・サケなどの魚に含まれています。加熱すると6割以上壊れてしまう成分ですが、魚をお刺身で食べたり、肉を食べる時は赤身部分を選ぶなど工夫してみましょう。

ビタミンB群

ビタミン類は人が生きていくために欠かせない成分ですが、特にビタミンB群は細胞分裂やDNA合成などにも関わります。ビタミンB群の中でも妊活ビタミンとして非常によく知られているのが葉酸です。葉酸は、最近男性も摂った方が良いと言われています。ビタミンB群は菜の花やほうれん草、かつお、まぐろ、レバー類、カキ、豆類などに含まれています。

ビタミンE

ビタミンEは抗酸化作用が強いビタミンとして知られています。身体の細胞などの酸化を防ぎ、活性酸素による老化を予防する作用があると期待されています。
さらに生活習慣病や加齢・老化による身体の衰えなどを予防する作用も期待されており、生活習慣病や肥満などに起因する精子の質の低下や精力の衰え、性的欲求の減退などが気になる方にもおすすめしたい成分です。

ビタミンEはアーモンドをはじめとするナッツ類や、オリーブオイル・アボカドのような植物から抽出された質の良い油に多く含まれていますほかにはうなぎをはじめとする魚介類にもたくさん含まれています。

シトルリン

シトルリンは、アフリカのカラハリ砂漠に育つ、野生のスイカの原種「カラハリスイカ」にたくさん含まれています。シトルリン自体は日本でスイカから発見された、アミノ酸の一種です。シトルリンは、非常に強い抗酸化作用を持っています。シトルリンを豊富に含む「カラハリスイカ」は、現地では砂漠の水がめと呼ばれています。その果肉は日本のスイカと違って甘みもなく真っ白なのですが、水分など見当たらない強烈な砂漠の太陽の下でも、しっかり水分を含んでいます。

しかも非常に腐りにくいという特徴があります。その秘密のカギを握っているのが、シトルリンと言われているのです。カラハリ砂漠は非常に過酷な環境です。本来なら、凄まじい太陽光と熱、昼と夜の寒暖差……そんな環境下では、普通の動植物は活性酸素を大量に発生させて、枯れたり病気になったりしてしまいます。

その環境下でぐんぐん成長し、その実の中にフレッシュな水分を蓄えるためには、活性酸素から身を守らなければなりません。そのために、カラハリスイカは強力な抗酸化作用を持つシトルリンを身体に貯めて、過酷な環境の中で元気に生き抜き、砂漠の水がめと呼ばれるようになったのです。

さらにシトルリンには血管拡張作用も含まれています。そのため血行促進作用もあり、勃起障害などにも良い影響を与えると考えられています。また血行が悪いと新陳代謝にも悪影響が及びます。血行の良さは、健康全般に大きく関わっているのです。

そんなシトルリンは、日本のスイカにも含まれています。スイカの皮の白い部分に特にたくさん含まれています。ほかにもキュウリなど、ウリ科の植物に含まれます。特に暑さなどで体力の低下が気になる夏には、美味しくキュウリやスイカなどで補給したいですね。

ただし、ウリの仲間は身体を冷やします。身体が冷えるとむくみやすくなったり、血行が悪くなりやすいという欠点もあります。シトルリンも効率よく摂取するには、サプリメントを上手に活用したいですね。

精液も妊娠力に関わっていた!精液に含まれる栄養素

実は精子だけでなく、精液も妊娠力に深く関わっているのです。精子は精液を構成する精嚢腺液・前立腺液などからも、さまざまな栄養を与えられているのです。

精液と精子の関係

実は精液中、精子の割合は1%と言われています。一度に射精される精液は4ml前後と言われていますが、その中のたった1%なのです。精子は精嚢の中で74日もの時間をかけて作られますが、その時点では身についていない能力がいろいろあります。

たとえば精子にはミトコンドリアが積まれていますが、その栄養となるのは精嚢腺液の中の果糖です。ほかにもたくさんのタンパク質を含んでいます。また前立腺液の中には、セックスミネラル・亜鉛がたくさん含まれています。ここで精子は高い運動性を身につけます。

この養分たっぷりの精液は、精子に優しい弱アルカリ性を示します。女性の膣は酸性なので、精子だけがさらされればすぐに死滅してしまいます。膣の中を通り抜ける際、精子を守る働きも精液は担っているのです。

質の高い精液のために食べて欲しい栄養素

質の高い精液を維持し、精子に活力を与えるためには、精液に含まれる成分を栄養として摂取する必要があります。

○亜鉛

亜鉛は精液中に非常に多く含まれます。精子の生成だけでなく、精液にたくさん含まれることで、その中で泳ぐ精子に運動性を与え、抗菌作用で精子を守る働きも持っているのです。

○ポリアミン

ポリアミンは、細胞分裂の時に遺伝子をコピーするために欠かせない成分です。細胞分裂が正しく行われるために役立つため、精子の生成には欠かせません。精液に含まれるのはスペルミンというポリアミンで、独特の匂いのもとにもなっています。また精力にも影響を持つと言われています。

スペルミンは細胞分裂による精子の生成のほか、精子の運動性を高める働きももっていると考えられています。スペルミンはDNAの安定化に役立ち、非常に活性の強い成分でもあります。体内でアミノ酸から合成されるのですが、年齢とともに減少してしまうため、精子の質の低下や精力低下にもつながってしまいます。
スペルミンは体内にあるポリアミンから合成されるのですが、それによく似た働きをするのが大豆由来のポリアミン、大豆ソイポリアです。大豆や納豆をはじめ、白子やチーズなどからも摂取できますが、サプリメントなら効率よく摂ることができます。

○クエン酸

前立腺液に含まれます。精液を弱アルカリ性に保ち、精子を守ります。また精子に活性を与えるとも言われています。クエン酸はかんきつ類や梅干し・お酢などすっぱい味のするものに多く含まれます。

食生活習慣の向上サポートにサプリメントを活用しよう

高い運動率を持つ質の良い精子をたくさん生成するためには、さまざまな栄養素が必要になります。特に亜鉛やポリアミン、抗酸化作用を持つ成分、そして多くのアミノ酸や精子の成長に欠かせないセレンなどを含むマカなどは、サプリメントを上手に活用すると食生活習慣を効率よく向上することができます。
忙しい毎日の中で、さまざまな栄養素をバランスよく食事だけで補うことは至難の業です。毎日のように外食が1度は入る男性なら、特に難しいミッションですよね。そこで男性妊活用のサプリメントや無添加の野菜デリなどを選んで、ストレスフリーの「食の妊活」を始めましょう。

精子の質を高める食生活・サプリメントについてのQ&A

Q1.良い精子を育てるために気をつけることはなんですか?

身体的な問題以外に、精子の正常な生成を妨げてしまうと考えられる要因は・亜鉛などのミネラル ・ビタミン不足 ・飲酒や喫煙・ストレス ・加齢・老化 ・血行不良・パワー低下 ・膝の上でのPC操作や熱いお風呂・サウナなどによる熱刺激・過度の自転車こぎによる刺激 ・きつい下着による締め付け・AGA治療薬であるプロペシア(フィナステリド)

Q2.精子の正常な生成を助けてくれる成分はどんなものがあるの?

良い精子を作るために積極的に摂りたい栄養素としては、亜鉛、コエンザイムQ10、クレアチン、ビタミンB群、ビタミンE、シトルリンなどがあります。

Q3.精液の質も妊娠力に影響がありますか?

実は精子だけでなく、精液も妊娠力に深く関わっています。一度に射精される精液は4ml前後と言われていますが、そのうち精子はたった1%なのです。精液にはたくさんの養分が含まれており、精子に優しい弱アルカリ性を示します。女性の膣は酸性なので、精子だけがさらされればすぐに死滅してしまいます。膣の中を通り抜ける際、精子を守る働きも精液は担っているのです。

Q4.質の高い精液を生成するために食べたほうが良い栄養素はなんですか?

質の高い精液を維持し、精子に活力を与えるためには、精液に含まれる成分を栄養として摂取する必要があります。代表的な栄養素としては、亜鉛、ポリアミン、クエン酸などです。

本記事の執筆者

ベビーライフ研究所編集部

ベビーライフ研究所編集部
ベビーライフ研究所では、妊活に取り組む多くのご夫婦に向けたシリンジ法のキットや栄養補給サプリメント等の商品を取り扱っています。
私たちが長年培ってきた妊活の知識や経験を活かして、より多くの方に正しい情報を発信いたします。

ベビーライフ研究所 公式LINEはこちらから
妊活サポート用品
クーポン随時配信!
公式Instagramを見る

本記事の監修者

江夏 徳寿(えなつ のりとし)

江夏 徳寿(えなつ のりとし)
医師、英(はなぶさ)メンズクリニック 院長。鹿児島大学医学部卒業、神戸大学大学院医学研究科卒業。生殖医療専門医。泌尿器科専門医。指導医。
大学卒業後、済生会福岡総合病院にて研修医として従事。その後亀田総合病院にて泌尿器科後期研修医プログラムを終了し、より専門的な分野を学ぶために神戸大学附属病院へ転職。
男性不妊を専門として臨床経験を積む傍ら、神戸大学大学院へ進学し研究にも従事した。
大学院卒業後は神戸大学にて教鞭をとりつつ、泌尿器科全般の臨床に従事し、腹腔鏡手術の技術認定医も取得。
神戸医療センター西市民病院副医長を経て、専門分野をより深く極めるために英ウィメンズクリニックへ就職。
男性不妊に留まらず、不妊をトータルで診療するために、婦人科診療も行っている。

TOP
TOP