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男性妊活!具体的にはどんなことをするの?

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男性妊活という言葉、最近では雑誌やネットなどで目にする機会も増えたように思います。そもそも「妊活」とはなんでしょうか?これは「妊娠活動」を略した言葉です。「そろそろ子どもが欲しいなあ」と思った方が、赤ちゃんを迎える準備を行うことを指して言います。自分たちの体の構造を含め妊娠するための基本的な知識を得たり、親になっていく意識を高めたりしつつ、食生活や生活習慣などの見直し等をしていきます。

妊活と言うと、これまではどちらかと言えば「女性一人でがんばればいい」といった考えが社会全体の風潮であったり、男性自身の考え方であったりしたと思います。ですが、医療の進歩により不妊の原因の半分は、実は男性にあることがわかって来ています。そう、ご夫婦で望む赤ちゃんを女性だけに任せておくわけにはいかないのです。
なかなか男性にとっては「未踏の領域」であり、重い腰を上げての妊活かもしれませんが、未来の子どもの笑顔に出会うためにも、最初の一歩を踏み出してみませんか?

【監修】

江夏 徳寿:
医師、英(はなぶさ)メンズクリニック 院長。鹿児島大学医学部卒業、神戸大学大学院医学研究科卒業。生殖医療専門医。泌尿器科専門医。指導医。

二宮 英樹:
医師、データサイエンティスト。福岡県出身。東京大学医学部卒業。専攻は公衆衛生学。

阿部 裕紀:
薬剤師。東京都出身。星薬科大学薬学部卒業。専攻は薬物治療学。

※詳細プロフィールは記事の最後に記載しております。

男性不妊の主な原因と対策

男性側不妊は、主に「精子の異常」と「性交障がい」に分けられます。「精子の異常」の原因としては、「加齢」「慢性疲労や運動不足」「不摂生な生活やバランスの悪い食生活」「遺伝などの体質」「睡眠不足」「ストレス」「精索静脈瘤」などが挙げられます。
「性交障がい」の原因としては、「ストレス」「喫煙」「糖尿病」「加齢」「刺激の強すぎるマスターベーション」「脊髄損傷などの外傷」などがあります。
精子が元気で、健康に生育しなければ、無事に卵子と巡り合えません。子宮に着床するまで気の遠くなるような話にもなりかねません。職場での過剰な仕事や複雑な人間関係、あるいはまた、妊活などのストレスから精神的、肉体的な勃起不全障がいとなり、満足な性交を行えないといったケースもあります。慢性的な疲労や運動不足は、精巣の血流低下を招きます。元気な精子を生成することが難しくなるのです。

また、男性喫煙者を街やオフィスで多く見かけますが、喫煙も妊活には大敵です。精子には、たばこのニコチンに反応する受容体があり、精子の数や精子の運動能力に何らかの影響があるようです。少なくとも妊活中は喫煙をやめ、適度の運動と眠りの深い良質な睡眠をとるように心がけましょう。

睡眠に関しては、合わない寝具の利用によって睡眠が浅くなったり、十分な睡眠を取れないことで疲労が蓄積し(酸化ストレスが溜まる)、不妊の原因となることがあります。自分に合う寝具を選んだり、折りたたんだタオルで自分に合った枕の高さ、腰の具合のいい位置を探してみたりするのも一つの手でしょう。

食生活は「不妊の要」と言えるほど重要です。暴飲暴食、不規則な食事時間、高カロリー、高塩分、低栄養のジャンクフードやインスタント食品は極力避け、亜鉛を多く含む食品を摂りましょう。精子の老化予防には、ビタミンEをたくさん含む抗酸化食材がおすすめです。かぼちゃやアボガド、ほうれんそう、ナッツ類などがそれに当たります。

男性妊活法では、下半身を温めず、締め付けずが鉄則

妊活法男性の場合、女性とは違って「体を冷やしてはいけない」というようなことはありません。ですが、睾丸を温めすぎると精子が作られにくくなると言われています。どんなにサウナや長風呂がお好きでも、妊活中はなるべく控えた方がいいでしょう。
また、下半身を締め付けるものも避けてください。ボクサーパンツよりはトランクスを、体に密着するタイプのジーンズよりは、緩めの綿パンツなどを履くようにしてください。長時間、自転車やバイクに跨っての運転も、精巣を圧迫することになるので控えましょう。

妊活中は、ウォーキングと電車などに切り替えることも有効です。特にウォーキングは、体の血行を良くすることにもつながり、結果的に男性機能を向上させることにもつながります。

食品関係も気を付けていただきたいことがあります。その手軽さ、便利さなどから「コンビニ弁当」や、スーパーのお総菜などを日常的に利用している男性も多いと思います。これらの食品は、添加物や油分、塩分が多く、奇形精子が作られやすくなると言われています。成分表をしっかり確認し、なるべく体に負担のないものを選ぶようにしましょう。

妊活向けサプリメントで不足を補う

何より食物から直接栄養をとるのが一番ですが、忙しい現代人はなかなかそこまで手が回りません。男性妊活にとって欠かせない栄養素のサプリメントを摂ることで、不足しがちな部分を補うことは可能です。

葉酸には、質の良い精子を作る働きがあります。意識的に葉酸を取り入れていけば、染色体異常のリスクを大幅に軽減させることができるばかりか、妊娠率を高めることにもつながります。ほかにも、亜鉛やビタミンEなどもお勧めです。最低でも三カ月はサプリメントを摂取し、長期的スパンで成分の効果が出てくるのをお待ちください。
精索静脈瘤は、男性不妊の原因の中で最も多い疾患です。これは精巣の静脈が還流不全を起こして腫れて瘤となるものです。精巣がうっ血する事によって循環障害による直接的な精巣へのダメージが加わる他、体の中で温まった血液が陰嚢内に逆流する事によって陰嚢内が温まり、反対側の精巣までダメージが加わる事が広く知られています。
最後に男性の妊活でも、そこには必ず奥様の協力が必要です。一人でがんばるものではなく、がんばれるものでもありません。奥様は、例えご主人の問題で妊活が必要となったとしても、その自尊心を傷つけないよう、温かな気持ちでそっと支え、協力してさしあげましょう。「ありがとう」「いつもよくやってくれているね」といった言葉掛け一つであっても旦那様は元気になれるものです。ご夫婦の絆を、妊活をきっかけにさらに深めていただければと思います。

【この記事の監修】

江夏 徳寿(えなつ のりとし)

医師、英(はなぶさ)メンズクリニック 院長。鹿児島大学医学部卒業、神戸大学大学院医学研究科卒業。生殖医療専門医。泌尿器科専門医。指導医。
大学卒業後、済生会福岡総合病院にて研修医として従事。その後亀田総合病院にて泌尿器科後期研修医プログラムを終了し、より専門的な分野を学ぶために神戸大学附属病院へ転職。
男性不妊を専門として臨床経験を積む傍ら、神戸大学大学院へ進学し研究にも従事した。
大学院卒業後は神戸大学にて教鞭をとりつつ、泌尿器科全般の臨床に従事し、腹腔鏡手術の技術認定医も取得。
神戸医療センター西市民病院副医長を経て、専門分野をより深く極めるために英ウィメンズクリニックへ就職。
男性不妊に留まらず、不妊をトータルで診療するために、婦人科診療も行っている。

二宮 英樹(にのみや ひでき)

医師、データサイエンティスト。福岡県出身。東京大学医学部卒業。専攻は公衆衛生学。
東京大学医学部卒業後、関西医科大学枚方病院、セレオ八王子メディカルクリニックなどで診療に従事。薬や手術に頼るだけではなく、コミュニケーションや触れ合いを活かした診療をモットーに患者との対話を重視する一方、データサイエンティストという異色の肩書きを持ち、医療技術や医薬品などの有効性について原典にあたり、評価手法やデータの有効性について常に確認を欠かさない。
地域包括ケア研究所にて医療局長を務め、医療者として地域社会のひとりひとりのための医療や正しい知識の普及活動に従事している。これまでヘルスケアメディアを通じて、正しく、分かりやすい健康情報の発信に携わってきており、医療や健康は一人ひとりの個人差がとても大きいため、個人にあわせた情報を記事で発信することの難しさを実感。情報を丁寧に紐解くことで、自分にあった正しい情報が分かるような発信を心がけている。

阿部 裕紀(あべ ひろき)

薬剤師。東京都出身。星薬科大学薬学部卒業。専攻は薬物治療学。
現在、化粧品会社に製造責任者という立場で品質管理などに携わる傍ら、薬に頼らないセルフケア(予防)を追求し、啓蒙活動を行う。ドラッグストアでの勤務経験を活かし、ライフスタイルに合わせた健康食品やサプリメントのアドバイスなども行う。 個人的には、薬はあまり好きではなく、自然なもの(食品に近いもの)で身体の不調を治すことを常に考え、アドバイスを行っている。

本記事の執筆者

ベビーライフ研究所編集部

ベビーライフ研究所編集部
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私たちが長年培ってきた妊活の知識や経験を活かして、より多くの方に正しい情報を発信いたします。

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