【排卵障害】 女性の不妊症の原因って?①

卵子と精子が出会い、受精して着床するまで、たくさんの条件がそろってはじめて妊娠が成立します。
そのため不妊症の原因は、多くの原因が重複していたり、逆に検査をしてもどこにも明らかな原因が見つからない場合もあります。
まず「不妊」ってどんな状況をいうの?
妊娠を望む健康な男女が避妊をしないで性交をしているにも関わらず、
一定期間妊娠しないものをいいます。
日本産科婦人科学会では、この一定期間を「1年」としています。
妊活をはじめるにあたって、まず自分の状態を知ることが大事です。
女性の不妊症の原因ってどんなものがあるの?
【女性の不妊での二大原因】
①排卵によるもの(排卵障害)
②卵管によるもの(卵管障害)
閉塞(詰まる)狭搾(狭くなる)癒着(くっつく)水腫(水が溜まる)
■ その他の原因
・子宮によるもの:子宮筋腫、子宮内膜ポリープ、先天奇形
・子宮頸管によるもの:子宮頸管炎、子宮頸管からの粘膜分泌異常など
・免疫によるもの:抗精子抗体など
今回は二大原因の1つである、排卵障害についてお伝えします。
排卵障害ってどういうもの?
まず、そもそも排卵とは排卵とは、卵巣の中で18~20mmほどに育った卵胞に、「排卵しなさい」と指令をだす脳からの命令ホルモン「黄体化ホルモン」が大量に分泌され、約40時間以内に卵胞の壁が破れて、卵子が腹腔内に飛び出す状態を言います。
この排卵が起こる日を排卵日と言います。
薬局等で購入できる排卵日予測検査薬を使うと、
手軽に排卵日を約1日前に予測することができます。
卵が問題ない平均な状態排卵が問題ない平均な状態
・月経(生理)周期が25日〜38日(ずれても予定日の2~5日程度ならOK)
・基礎体温を測ると低温期と高温期(低温期より0.3~0.5℃高く12~14日程度続く)の二層にわかれている。
女性のからだは、排卵した後に、ホルモンの分泌に合わせて少しだけ体温が上がります。
基礎体温を継続して測っていると、低温期から高温期への移行があることで、排卵が起こったことがわかります。
このため月経サイクルがバラバラ、来たり来なかったり、定期的に出血があっても基礎体温が二層にならない時は、排卵障害の可能性があります。
まずは基礎体温を測るのが大事!
基礎体温を測ると、自分のカラダのリズムがわかります。
約1ヵ月で変動する女性ホルモンのバランスを知ることができるので、
排卵や月経、体調の変化の予測に役立ちます。

では、どうして排卵障害が起こるのでしょう?
原因は、高プロラクチン血症や多嚢胞性卵巣症候群などがあります。
また、環境の変化などに伴う大きな精神的ストレス、
短期間に大幅なダイエットをした場合なども月経不順をきたす場合があります。
*高プロラクチン血症
症状:プロラクチンという母乳を分泌させるホルモンが過剰に分泌される
原因:脳下垂体の腫瘍、薬の副作用(精神科の薬、胃潰瘍の薬など)
*多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)
症状:10㎜位の同じ大きさの卵胞がたくさんできて卵巣の外側に一列に並び、なかなか大きくならない。
原因:卵巣内の男性ホルモンが過剰に分泌され、卵胞が育つのに時間がかかってなかなか排卵しない。
【多嚢胞性卵巣症候群の自覚症状】
・月経周期が35日以上
・月経が以前は順調だったのに今は不規則
・ニキビが多い
・やや毛深い
・肥満
日本人の女性は 45 歳から 56 歳の間に閉経を迎えますが、まれに 20~30代でも、卵巣機能が極端に低下し無排卵に陥る早発卵巣不全という場合もあります。
自分でできる改善方法について
・十分な睡眠をとるなど生活のリズムを整える
・規則正しい生活をする
・バランスの良い食事こころがける
肥満は、直ちに月経不順につながるわけではないようです。
ただし、多嚢胞性卵巣症候群の場合には肥満を伴う症例が多いため、
医療機関ではまず肥満を解消して標準体重に戻すような指導を行っています。
基礎体温のこんな状況が続くときは病院へ
・高温期がない(低温期がずっと続いている)⇒無排卵月経の可能性
・低温期が続く(二層にはなるが低温期が3週間以上続く)⇒排卵障害の可能性
・高温期が短い(10日未満)・安定しない⇒黄体機能不全の可能性
・全体にグラフがガタガタしている⇒無排卵・婦人病の可能性
まとめ
基礎体温を測り、表にすることでからだの傾向がわかります。
妊活をはじめる場合はその上で月経期間が短い、あるいは月経がなかなか来ないといったことがあれば、基礎体温表を持って病院を受診することをおすすめします。