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受精から着床までの体調の変化や妊娠のしくみをわかりやすく解説【医師監修】

コラムイメージ写真

妊娠がおこるためには、まずは、卵子と精子が出会う「受精」、そして「着床」が行われなくてはなりません。

この記事ではどういった条件が揃うと「受精」「着床」が行われるのか、また着床した際には体調にどのような変化が起きるのかを詳しくお話ししていきます。

卵子と精子 それぞれの寿命について

まず卵子と精子にはそれぞれ異なる寿命があり、受精するためには、お互いが受精可能な状態でなければなりません。それぞれの寿命をみていきましょう。

■卵子の寿命 
排卵後、わずか24時間程度(12~24時間)で死んでしまいます。

■精子の寿命
女性体内での精子は長くて5日、平均72時間(3日)程度生存可能です。

以上のことから精子は卵子の3倍くらい長生きです。ですので、精子が卵子を待ち受けるのが受精にとっては都合がよいのです。

受精のしくみ

「受精」とは卵子と精子が融合して、1つの細胞(受精卵)になるまでの過程を言います。どこで受精が行われるのかどのタイミングで性交すると効果的なのかをみていきましょう。

受精はどこで行われるの?

性交によって女性の子宮に入った精子は卵管を通って、卵管の先まで向かいます。(図参照)

精子が卵管の先に向かって卵子に出会うことで「受精」が起こります。

より詳しい卵子と精子の受精のしくみや、精子と卵子が出会うまでのそれぞれの物語については下記記事を御覧ください。

卵子と精子が受精するまでの妊娠のしくみをわかりやすく解説

いつ性交するのが効果的なの!?


クリニックでの不妊治療の中でも、性交による妊娠の可能性がある場合は、まず最初に「タイミング指導」を行います。

最も妊娠しやすいのは排卵日の前々日であり、次に前日といわれています。

下の図を見てください。排卵日の6日前の性交から妊娠の可能性があり、排卵7日以前と排卵翌々日以降の妊娠率はほとんどないことから、排卵5日前から1日~2日おきの性交を「タイミング指導」としているのです。*1)

またこの期間は女性の子宮の入口である、子宮頸管を満たす粘膜の量が増え、粘り気が少なくなり、伸びやすくなり精子が侵入しやすくなって、受け入れる準備をしています。

*1)日本産婦人科医会 「タイミング」
https://www.jaog.or.jp/lecture/9-%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%9F%E3%83%B3%E3%82%B0/

着床のしくみ

「着床」とは受精卵が卵管を通って子宮内膜にくっつき、内膜の中に入っていくまでを言います。精子と卵子から受精卵が生まれ、分割するだけではなく、着床してはじめて妊娠が成立します。それでは着床について詳しくみていきましょう。

着床の時期はいつ?

卵子と精子が受精して生まれた受精卵は、細胞分裂を行いながら卵管の中をゆらゆらと漂い4~6日ほどかけて子宮内へと移動します。

子宮内部の子宮内膜はホルモンの作用によって厚く柔らかい海綿状態に保たれており、そこにもぐりこんで根を張ります。
これが「着床」です。

受精から着床までは約1週間かかると言われています。

自覚できる?着床時によくある5つの体調の変化

この時期に見られる症状がいくつかあります。個人差があるので、なかには体調の変化にまったく気付かない人も少なくありません。

出血

着床するときに出血することがあります。これは受精卵が子宮内膜にもぐりこむ際に子宮内膜が少し傷つけられることで起こります。うっすらと下着につく程度の軽い出血が1~3日ほど続いたり、茶色いおりもののようなものが出たり、人によってさまざま。いずれにせよ、数日でおさまります。

胸の痛みやハリ

着床すると妊娠継続できるように女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンが多く分泌されます。これらの女性ホルモンには胸の乳管や乳腺組織を活発化させる働きがあります。そのため、乳房の張りやかゆみ、乳首の先にさわると痛みがあるなど、症状はさまざまですが、生理前と同じような違和感を胸に感じることもあります。

つわり

通常、つわりは妊娠初期(妊娠4〜7週ころ)に始まることが多いですが、なかには着床時(妊娠3週ころ)から吐き気やにおいに敏感になる人も。これは女性ホルモンであるプロゲステロンが吐き気を引きおこす脳の中枢神経を刺激するために起こります。

腰痛

妊娠すると赤ちゃんが産道を通りやすくするように骨盤などの関節をゆるくするリラキシンというホルモンが分泌されます。これにより、骨盤周りの筋肉に負担がかかり、生理前のような腰痛に繋がることがあります。

頭痛

頭痛も妊娠初期に増加するプロゲステロンが原因と言われています。プロゲステロンにより脳の血管が拡張しやすくなり周辺の神経を刺激するため、頭痛を感じやすくなります。頭痛がひどいと痛み止めの薬に頼りたくなりますが、妊娠中に飲めない薬もあるため、まずは妊娠をしているか確認した上で医師に相談しましょう。

眠気・けん怠感

いくら寝ても眠い、ちょっと動いただけですぐ疲れる、微熱が続き風邪のときのようにだるい…。

これらの眠気やけん怠感もプロゲステロンにより起こる症状です。

生理前や軽い風邪のような症状が多く、つい、いつものように薬を飲んでしまい、後で心配になるケースも多いようです。
なるべく薬に頼らず安静にして様子を見ましょう。そして、できるだけ身体を休め、心身をリラックスさせて過ごしましょう。

受精から着床までの約1週間に子宮の中では目まぐるしい変化が起こります。あらかじめ知識として知っておくことで、落ち着いて対処することもできますね。

いつ病院に確認に行けばいいの?

最近の市販の妊娠検査薬は感度が高く早期妊娠検査薬れあれば月経予定日当日から陽性反応が確認できます。

ただし病院で妊娠確定するときには「子宮の胎嚢」「赤ちゃんの心拍確認」で確認しますので、月経予定日の1~2週間過ぎたあたりで病院に行かれることをおすすめします。

まとめ

このように受精や着床など妊娠のしくみを知ることで、奥さまや旦那さまのお互いのからだのスケジュールが分かります。夫婦で話し合うきっかけや協力し合えるシーンが増えることを切に祈っています!

受精や着床についてよくある質問

Q卵子と精子の寿命はどのくらいですか?
A卵子の寿命は24時間程度、精子の寿命は卵子の3倍の平均72時間(3日)程度

Q受精の場所や性交のタイミングはいつですか?
A受精は卵管の先で起こります。性交のタイミングは排卵2日前がベスト!次に排卵前日です。

Q受精から着床までの期間はどれくらいですか?
A受精から着床までは約1週間です。

Q着床したら自分で分かりますか?
A着床は自覚できる場合もありますし気づかない場合もあります。着床時に軽い風邪のような症状が起こるので、薬の飲用に注意しましょう。

Q病院にはいつ行けばいいですか?
A病院での確認は月経予定日の1-2週間過ぎたころがよいでしょう。

参考資料
・「はじめての妊娠・出産百科」(主婦の友社)

本記事の執筆者

ベビーライフ研究所編集部

ベビーライフ研究所編集部
ベビーライフ研究所では、妊活に取り組む多くのご夫婦に向けたタイミング法キットや栄養補給サプリメント等の商品を取り扱っています。
私たちが長年培ってきた妊活の知識や経験を活かして、より多くの方に正しい情報を発信いたします。

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本記事の監修者

大石 明代(おおいし あきよ)
看護師歴17年。
正看護師。静岡県出身。
静岡県立国際関係学部卒業。
社会人経験を経て看護学校に入学。卒業後、看護師となる。
現在産婦人科クリニックに勤務。自身も不妊治療経験者。
高度生殖医療は卵子と精子を出会わせてくれる手段であり、大切なのは自身の身体の力を高めること。
言われるがままの不妊治療では心身共に疲弊し、金銭的な不安も大きくなることから、妊娠の土台となる普段からの食事や運動、睡眠、心の持ち方が大事と考え、妊娠する力を高めるための発信の他、マンツーマンでの講座や施術を行っている。

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