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#54

45歳でも妊娠はできる?確率やリスクなど詳しく解説

コラムイメージ写真

近年の日本では、晩婚化が進むとともに平均出産年齢も昔に比べ、徐々に高くなってきています。

高齢出産、という言葉は聞いたことがあるかもしれませんが、この高齢出産には様々なリスクが存在します。

また、年齢が上がるほど妊娠率は徐々に下がっていってしまうため、高齢出産はなかなか難しいものでもあります。

今回は45歳という年齢に焦点を当て、45歳でも妊娠が可能なのか、またその具体的な確率やリスクについて詳しく解説していきます。

45歳で妊娠する確率

まずは、年齢別の妊娠率について見てみましょう。

海外での研究の結果(M.Sara Rosenthal.The Fertility Sourcebook.Third Edition より)による自然妊娠率は以下の通りです。

年齢自然妊娠の確率
20~24歳86%
25~29歳78%
30~34歳63%
35~39歳52%
40~44歳36%
45~49歳5%

このように、加齢による妊娠率の低下は45歳で顕著に現れてきます。

また上記のデータは1年間避妊をせず性交渉をした歳の確率のため、排卵1周期当たりの確率は以下の通りです。

年齢1周期あたりの妊娠率
25歳25~30%
30歳25~30%
35歳18%
40歳5%
45歳1%

なんと、45歳での妊娠率は1%にまで低下してしまいます。

1%じゃ45歳での妊娠はほぼ不可能なんじゃ…と思われるかもしれませんが、こちらはあくまで「自然妊娠」の確率です。

現在は様々な不妊治療も確立されていますし、高齢での妊娠を目指す方は不妊治療に取り組むことが多いです。

妊娠率は低くかなり難しいですが、45歳で妊娠できた事例ももちろん存在するため、不妊治療を視野に入れて進めていきましょう。

※通常、AIH(人工授精)よりもART(体外受精や顕微授精)の方が妊娠率が高いとされていますが、43歳を超えると、AIH後の妊娠率とART後の妊娠率はほとんど変わらなくなるという報告もあります。

年齢とともに妊娠率が下がる理由

ではなぜこのように妊娠率が年齢とともに下がっていってしまうのでしょうか。それにはいくつかの理由が存在します。

ここからはその妊娠率が下がる理由について注目してみましょう。

卵子も歳を取る

まず1つ目は、卵子の質の低下です。女性は年齢を重ねるとともに、卵子も歳を取り質が低下していきます。

この質の低下とは具体的に、卵子の染色体数の異常のことを指します。

卵子は卵母細胞というものが2回の細胞分裂を経て形成されますが、年齢を重ねると1度目の細胞分裂が正常に行われないことが増えてきます。

その結果、卵子の染色体異常が増えてしまうのです。

染色体異常が増えると、受精が上手くいかないことや、受精しても流産に繋がってしまうリスクが増加してしまいます。

このような卵子の質の低下が年齢とともに進行していくため、妊娠率は下がっていってしまうのです。

卵子の数の減少

2つ目の理由は、卵子の数の減少です。

男性の精子は基本的に毎日新しく作り出されていくものですが、卵子は生まれた時点でその数が決まっており、数が増えることはありません。

具体的には以下のような数値で減少していきます。

出典:女性の卵子の数は決まっている (sset-clinic.com)

女性は生まれてくる時点では約200万個ほどの卵子を持っており、思春期には30万個ほどです。

そこからはさらに減少していき、35歳で1~3万個まで減少、日本人女性の閉経年齢である約50歳まで減少を続けていきます。

この加齢に伴う卵子の数の減少が、妊娠率の低下に繋がってしまうのです。

しかし、監修者自身はこの2つの原因だけでは無いと考えています。

それよりも、加齢によって食が細くなり、身体に必要な栄養が充足しづらいことが妊娠率を左右すると言っても過言ではありません。

栄養不足によって、血行不良、代謝の低下、ホルモンバランスの乱れなどが合わさって、卵子が育ちにくかったり、卵子の質が悪かったり、着床ウィンドウのズレなどの影響があります。

そのため、年齢の関係で卵子数の減少や卵子の質の低下は起こりうるものの、妊娠するために必要な栄養補給すなわち健康的な体づくりは妊娠率を少しでも高めるためには非常に重要なことなのです。

胎児に起こりえるリスク

ここまで妊娠率が下がる理由について見てきましたが、もちろん45歳でも妊娠したという事例は存在します。

ですが高齢での妊娠は、様々なリスクも伴うものです。

ここからは、妊娠ができた際の胎児へのリスクについて考えてみましょう。

ダウン症

高齢での妊娠の際のリスクの1つがダウン症です。

ダウン症の原因には染色体の異常が関わってきます。

通常両親から受け継ぐ染色体は23対ありますが、そのうち21番目の染色体が2本ではなく、まれに3本になってしまうことがあります。

これがダウン症のうちの90〜95%を占める標準型と呼ばれる種類の原因です。

先ほど紹介した卵子の染色体異常のほかにも精子の質も関係しており、高齢での出産の際は染色体異常が胎児に影響を与えてしまうリスクが高くなってしまうのです。

ダウン症のほかにも先天性疾患であるパトー症候群などの発症リスクがあり、こちらはダウン症よりは発症しにくいものの、高齢での出産ではリスクは高まります。

また、ダウン症の場合なにかしらの合併症を引き起こす可能性も存在します。

例えば、心房中隔欠損症や心室中隔欠損症などの先天性心疾患はダウン症の約50%にみられるとも言われています。

その他にも白血病や白内障・難聴などの感覚器官の障害などが現れることもあるため、重ねて大きなリスクになってしまいます。

早産や流産

卵子の質の低下や子宮内膜の発育不足により、早産や流産のリスクも高まります。

早産は妊娠22週目0日〜妊娠36週目6日までの出産のことを指しており、生まれる時期が早ければ早いほど、呼吸器官の重篤な障害などが発生するリスクが高まります。

流産は妊娠22週目未満で胎児が亡くなることを指しており、そのうちの約85%は妊娠12週までに起こると言われています。

出典:専攻医教育プログラム_不育症の診断と治療_丸山哲夫_ハンドアウト最終版.pptx (umin.ac.jp)

年齢別の流産の確率はこのようになっており、特に40歳を過ぎたあたりから確率が顕著に上がっているのがわかります。

このように、高齢では胎児への様々なリスクも増えることで、より出産が難しくなってくるのです。

母体に起こりえるリスク

胎児へのリスクがあるということは、母体へのリスクや負担も数多く存在します。

ここからは、母体へのリスクについて見ていきましょう。

早産や流産

先ほど胎児へのリスクとして紹介した早産と流産ですが、やはり母体への負担や影響も大きいです。

それが、1度流産を経験すると再び流産をしてしまうリスクが高くなる可能性があるという点です。

流産を経験した方の流産率は2回まではそこまで上がりませんが、3回連続してしまうと「習慣流産」といい、次の妊娠で流産する確率が上がってしまいます。

そのため、高齢での妊娠率の低さと合わせると出産がさらに難しくなってしまうのです。

妊娠合併症

妊娠合併症とは妊娠期間に発生する問題で、胎児か母体、もしくはその両方に悪影響を及ぼしてしまいます。

この妊娠合併症ですが、母体の年齢によってリスクが上がってしまうものも存在します。

徳島大学大学院産科婦人科学分野の苛原稔教授による調査の結果が以下の通りです。

20歳未満20~34歳35~39歳40歳以上
妊娠高血圧症候群0.681.001.662.55
前期破水(37週未満)0.961.001.001.14
切迫早産1.781.000.830.75
子宮頚管無力症1.321.001.041.04
絨毛膜羊膜炎1.071.001.001.04
前置胎盤0.361.001.762.19
常位胎盤早期剥離0.671.001.181.5

出典:130628厚労省妊娠合併症解析 (一部修正) (3) (mhlw.go.jp)

こちらは20~34歳を基準としたリスクの変化ですが、40歳以上で特にリスクが高まるのが、妊娠高血圧症候群・前置胎盤・常位胎盤早期剥離の3つです。

そしてこの中でも特に気を付けたいのが、妊娠高血圧症候群です。

高血圧症候群は重症化した場合、けいれん発作や脳出血などの重大な合併症が引き起こされるだけでなく、胎児への酸素や栄養の供給が上手くいかず、最悪の場合亡くなってしまうこともあります。

このように、45歳で妊娠を目指す場合、妊娠ができても母子ともに様々なリスクがあることを先に理解しておきましょう。

それでも妊娠がしたい

ここまで高齢での妊娠について様々な角度から紹介してきましたが、やはり難しいのではと感じた方も多いのではないでしょうか。

高齢での妊娠・出産はリスクも高く、妊娠率自体もとても低いですが、それでもお子さんが欲しいと思われる方も多くいらっしゃいます。

いくつになっても家族が増えることはとても素敵なことです。

ですが、妊娠率は年齢とともにこのまま下がっていく一方で、日本人女性の平均的閉経年齢である50歳も目の前まで迫ってきています。

そのため、45歳での妊娠を目指す方には、すぐに不妊治療専門のクリニックに相談しに行くことを強くおすすめします。

たしかに妊娠率は低くなってきていますが、現在は様々な不妊治療も増えており、妊娠を目指す手段は多くあります。

もちろん、不妊治療にも卵子の質などが関わってくるため取り掛かるスピードが重要です。

クリニックで検査をすることで、いまの自分のからだがどのような状態なのか、どの治療が合っているのかを判断することができます。

また専門の医師と、進め方など細かく相談することも可能です。

妊娠できる期間の終わりが近づき焦ってしまうかもしれませんが、焦りすぎずにまずは検査をして、妊娠へのステップがスムーズに踏める状態なのかを確認することが重要です。

また、高齢妊娠・出産のリスクを軽減するだけでなく、更年期を穏やかに過ごすためにも治療を選択するしないに関わらず、身体のケアは同時進行で行うのはとても大切です。

本記事の執筆者

ベビーライフ研究所編集部

ベビーライフ研究所編集部
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本記事の監修者

藤本 彩巴(ふじもと あやは)

藤本 彩巴(ふじもと あやは)
胚培養士。宮城県出身。
山形大学農学部食料生命環境学科卒業。
生殖補助医療胚培養士資格、体外受精コーディネーター資格を取得。生殖細胞の操作以外にも、患者様夫婦とお話をする機会があり、その際、不要な治療を続けているご夫婦が多いことに気がつき、現在は食事・運動・睡眠の見直しを促す発信をしている。不妊治療はあくまでサポートであり、対処療法に過ぎないため、本来の身体の機能を最大限発揮できるようなポイントを、ご本人の生活に寄り添った内容でお届けしている。

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