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#55

妊活中に食べてはいけないものは?控えたい食べ物と注意したいこと。

コラムイメージ写真

妊娠中に食べてはいけないものがあることは、ご存じの方も多いと思います。では妊活中はどうでしょう?

この記事では妊活中に避けたい食べ物と、積極的に摂りたい栄養素、生活習慣で気をつけたいこと、男性におすすめの食べ物について紹介します。食べてはいけないものや注意点を知って、赤ちゃんを迎える準備をしましょう。

「食べてはいけないもの」というよりも「妊活中には控えたほうが良いもの」

「食べてはいけない」といっても、「絶対に一口も食べてはいけない」わけではありません。まだ妊娠前ですから、神経質になりすぎる必要はないのです。

基本的には、一般に「健康に良い」とされる食生活が、妊活にも適しています。主食・主菜・副菜をバランス良く摂り、糖分や脂肪が多すぎる間食は控えて、妊娠に向けて健康な体に整えていきましょう。

その上で、妊娠中に控えるべき食べ物を、妊活中から控えることが望ましいです。思わぬタイミングで妊娠が分かっても安心して過ごせますよね。ここでは妊活中に控えたほうが良い食べ物と、その理由を解説します。

妊活中に控えたほうが良い食べ物とその理由

脂肪や糖分の多い食べ物

脂肪はエネルギー源や細胞の材料となる大切な栄養素ですが、摂りすぎると肥満の原因となります。

中でも、マーガリンやショートニングに多く含まれる「トランス脂肪酸」の摂りすぎは、排卵に影響すると指摘されています。トランス脂肪酸の多い揚げ物やファストフードは控えめにして、良質な脂肪を含む魚やヨーグルトなどを意識して摂るのがおすすめです。

糖分も重要なエネルギー源である一方、摂りすぎると血糖値の急上昇や肥満を招き、体に負担がかかります。菓子や甘い飲み物は控えて、麦茶などに置き換えるのがおすすめです。

特に多嚢胞性卵巣症候群と診断されている方は血糖値のコントロールが大切になってきますので、血糖値が上がりにくい食べ物の選択や食べ方を意識しましょう。

また、精製された白米や白砂糖は、消化・吸収の際に大切なミネラルを消費してしまうと指摘されます。玄米や精製されていない砂糖、ハチミツといったミネラルを含む糖分を取り入れると良いでしょう。

生肉や生卵

妊娠中に避けるべき生ものは、妊活中から食べない方が望ましいです。

生肉には「トキソプラズマ」という寄生虫がいることがあり、妊娠中に感染すると、流産や死産の恐れがあります。また、胎児が「先天性トキソプラズマ症」になると、妊娠初期ほど重症化しやすいです。

刺身や生ハム、スモークサーモン、輸入されたナチュラルチーズといった加熱していない食品には「リステリア」という食中毒菌が繁殖していることがあります。食中毒の原因になるほか、流産を引き起こすことや、胎児が髄膜炎になることも心配です。

生卵には、食中毒菌「サルモネラ」が付着していることがあり、感染すると食中毒や流産のリスクがあります。

いずれの菌も加熱すれば死滅するため、生ものはしっかり火を通して食べるようにしましょう。

アルコール

飲酒は、妊活中・妊娠中どちらも悪影響が指摘されています。

まず妊活中は、適量以上の飲酒習慣があると、妊娠率が下がる可能性があります。適量とは、1日あたりビールなら500ml、日本酒なら1合、ワインなら200mlほど。「これだけ飲むと影響が出る」という決定的な数字は分かっていませんが、妊娠に気づく5週目頃はすでに赤ちゃんの重要な臓器が作られる器官形成期ですので、妊活中から飲酒はなるべく控えるのが安心です。

妊娠中の飲酒は「胎児性アルコール症候群」という先天異常や発育不全の原因となります。多少の飲酒は影響しないという説がある反面、350mlの缶ビール1本程度の少量で発症するとの報告もあります。妊娠したらお酒はやめましょう。

お酒が好きな方は、妊娠可能性がない月経開始から排卵までの期間に、少量飲むのがおすすめです。代わりに楽しめるノンアルコール飲料を、妊娠前に探しておくのも良いでしょう。

妊活中に積極的に摂りたい栄養素

妊活中に避けたい食品がある一方で、積極的に摂りたい栄養素もあります。ここからは、妊活女性の体調を整え、赤ちゃんを育てるために大切な栄養素を4つ解説します。

葉酸

ビタミンB群の一種である葉酸は、妊活中から特に意識して摂りたい栄養素です。葉酸には細胞分裂を助ける働きがあり、赤血球の生産にも欠かせません。菜の花やアスパラガス、ほうれん草などに多く含まれます。

重要なのは「神経管閉鎖障害」のリスクを下げる効果です。神経管とは胎児の脳や脊髄の元になる器官で、受精後およそ4週間で作られます。この神経管がうまく育たないのが閉鎖障害で、先天異常の原因です。

妊娠が分かる時期は、早くても次の月経予定日から1週間後。排卵・受精からは約3週間後です。分かってから葉酸を飲んでも間に合わないので、妊娠1か月以上前から意識して摂りましょう。

厚生労働省が公開している「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針」の中では、神経管閉鎖障害を予防するために、通常の食事に加えてサプリメントで400μg/日の葉酸を補給することが推奨されています。

たんぱく質

人の体の材料となるたんぱく質も、妊活には欠かせない栄養素です。筋肉や内臓、血液、皮膚、髪や爪までたんぱく質から作られています。妊活中でなくても健康維持には大切な栄養素です。

女性(18歳以上)の1日のたんぱく質の推奨摂取量は50g。推定平均摂取量が40gですので、必要量よりも摂取量が下回っている人が多いのがわかります。

たんぱく質は、魚や肉、卵、大豆製品、乳製品に多く含まれます。その他、穀類や野菜、果物にも含まれています。1つの種類でたんぱく質の必要量を補おうとすると量が多くなり食材が偏るため、様々な食材を組み合わせて摂取すると良いでしょう。普段の食事だけでなく、外食先でも積極的にたんぱく質を含むメニューを選びましょう。

食物繊維

食物繊維は腸内環境を整えるほか、食べ過ぎ防止効果や、血糖値の上昇をゆるやかにする効果にも注目したい栄養素です。

糖分の前に食物繊維を食べると、満腹感が得られて食べ過ぎを防げます。また、糖分の吸収がゆるやかになり、血糖値の急上昇を抑えられます。続ければ糖尿病のリスクを遠ざけ、排卵や妊娠への影響も避けられます。

食物繊維はきのこや豆類、野菜に多く含まれるので積極的に摂りましょう。胃が弱くない方は主食を繊維の多い玄米などに置き換えるのもおすすめです。

鉄分

鉄分は、血液を作るために必須の栄養素です。

鉄分には大きく分けて2種類が存在します。

肉や魚などの動物性食品に多く含まれるヘム鉄と大豆製品や野菜、海藻類などに多く含まれる非ヘム鉄です。

ヘム鉄の体内への吸収率が10〜20%に対し、非ヘム鉄の吸収率は2〜5%ほど。非ヘム鉄はたんぱく質を多く含む動物性食品と一緒に組み合わせることで吸収率が上がります。

鉄分は野菜では小松菜や青のり、さつまいも、肉類ではあさりやレバー、缶詰めのサバみそ煮などにも多く含まれます。月経で失われる鉄分を補給するために、日頃から意識して摂りましょう。

妊娠すると、赤ちゃんに酸素や栄養を届けるために血液が増えるので、鉄の必要量はさらに増えます。鉄強化の食品を取り入れるのもおすすめです。

妊活中の食生活・生活習慣などで気をつけたいこと

妊活中は、食べ物以外にも意識したいことがあります。ここからは、妊活中に気をつけたい生活習慣について、2つ紹介します。

適正な体重を維持する

妊活においては、やせすぎも太りすぎも良くありません。どちらも月経不順の原因となり、やせすぎの場合は月経が止まることもあります。

妊娠中も、赤ちゃんの発育に影響が出る可能性があります。ママがやせていると赤ちゃんは発育不全に、太っていれば育ちすぎになりやすいのです。また、どちらの場合も、大人になって生活習慣病を発症するリスクが上がります。

体重が適正かどうかは、BMI値を参考にしてください。「体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)」の計算で分かります。体重50kg、身長1.5m(150cm)の人なら「50÷1.5÷1.5=約22.2」となります。

  • 判定: BMI値
  • 低体重(やせ): 18.5未満
  • 普通体重: 18.5以上〜25未満
  • 肥満(1度): 25以上〜30未満
  • 肥満(2度以上): 30以上〜

やせている人は、出産のための体力も心配です。たんぱく質や主食を積極的に摂り、適度な運動で筋肉もつけて、BMI22を目安に体重を増やすことが安産につながります。

太っている人は、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病、帝王切開や早産のリスクが高まることも指摘されています。脂質や糖分の摂りすぎに注意し、適度な運動をして、体重を減らしましょう。

ただし、急激な体重変化は良くありません。女性ホルモンのエストロゲンは、脂肪細胞からも作られるため、急激に太ったりやせたりするとホルモンバランスが乱れます。焦らず少しずつ適正体重を目指してください。

体を冷やさない

体が冷えると子宮や卵巣の機能が低下するため、妊活に冷えは大敵です。腹巻きや羽織り物などを活用して、気持ち良い程度に温めましょう。

食生活では、朝食をしっかり摂るのがポイントです。たんぱく質・糖分・野菜のそろった朝食で、体温を上げるためのエネルギーと栄養を補給しましょう。温かい飲み物や、ショウガや根菜などの体を温める食べ物もおすすめです。

また、ウォーキングやヨガといった適度な運動も効果的です。運動すれば体が温まりますし、筋肉がつけば冷えにくくなります。筋肉の元となるたんぱく質もしっかり食べましょう。

運動では、余分な脂肪が落ちることも冷え対策になります。おなか周りに脂肪がつきすぎていると、冷たい腹巻きのように働いて冷えの原因になるためです。

食事と運動で体を温め、妊娠しやすい体に整えましょう。

妊活男性におすすめの食べ物

妊活では、男性側にもおすすめの食事があります。男性に大切なたんぱく質と亜鉛について、最後に紹介します。

たんぱく質・亜鉛が豊富な食事

たんぱく質は精子の材料となるため、妊活男性にとっても重要です。魚、肉、卵、大豆製品、乳製品をバランス良く摂りましょう。普段の食事のほか、外食でもたんぱく質を含むメニューを意識して選ぶと良いです。

亜鉛は前立腺や精巣の機能に関わる栄養素です。精子の数が増え、運動が活発になる効果があります。汗とともに排出されてしまうので、積極的に摂りましょう。カキ、牛肉、豚レバー、鶏レバー、煮干しなどに多く含まれます。

たんぱく質も亜鉛も、不足すると精子の数や質に影響します。亜鉛はサプリメントで補給するのもおすすめです。

まとめ

妊活中の食生活・生活習慣で気をつけることと、妊活男性におすすめの食べ物について紹介してきました。

たんぱく質をしっかり摂る、葉酸を飲む、適度に運動する、男性は亜鉛を摂る…とポイントは色々あります。しかし毎日のことなので、気にしすぎるとストレスがたまってしまうのも事実です。無理のない範囲でバランス良く食べ、時々息抜きもして、元気に妊娠を目指しましょう。

本記事の執筆者

ベビーライフ研究所編集部

ベビーライフ研究所編集部
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本記事の監修者

大石 明代(おおいし あきよ)
看護師歴17年。
正看護師。静岡県出身。
静岡県立国際関係学部卒業。
社会人経験を経て看護学校に入学。卒業後、看護師となる。
現在産婦人科クリニックに勤務。自身も不妊治療経験者。
高度生殖医療は卵子と精子を出会わせてくれる手段であり、大切なのは自身の身体の力を高めること。
言われるがままの不妊治療では心身共に疲弊し、金銭的な不安も大きくなることから、妊娠の土台となる普段からの食事や運動、睡眠、心の持ち方が大事と考え、妊娠する力を高めるための発信の他、マンツーマンでの講座や施術を行っている。

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