【卵管障害】女性の不妊症の原因って?②

前回に引き続き、女性の不妊症の原因についてお話しします。
今回は卵管障害についてです。
卵管障害とは?
卵管に何らかの原因で炎症がおこると、閉塞(詰まる)、狭窄(狭くなる)、癒着(くっつく)、水腫(水が溜まる)といった症状が引き起こされます。
これらの症状が不妊の原因となることがあります。
まず、卵管ってどこ?
子宮から卵巣に向かっている長さ約10㎝ほどの2本の腕のような部分です。

卵管の役割
卵管は卵巣と子宮をつなぐパイプの役割ををしています。
排卵した卵子は卵管に吸い込まれるように回収されます。
その頃、精子は膣から子宮を経て卵管の先端付近まで泳いできて受精します。
つまり受精は卵管でおこなわれるのです!
そして受精した卵(胚)が再び子宮に戻るための道でもあります。
卵管は細いところで直径1㎜未満と、とっても細い管です。
なので詰まったり、くっついてしまうことがあります。
そうすると卵子と精子がであえなかったり、
受精卵は子宮に戻ることができないため妊娠にいたらないのです。
でも卵管は左右2本あるので、
どちらか1本が正常であれば自然妊娠できます。
卵管障害の原因はどんなもの?
【 クラミジア感染症 】
日本で最も多い性感染症で、性行為によって感染します。
おりものや腹痛、出血などの症状が出る場合もありますが、
初期では自覚症状がほとんどありません。
そのため慢性化して炎症が広がり、
体に問題が発生したときに初めて病院で検査してわかるという場合が多いです。
クラミジアは子宮頸管に感染し、炎症を起こします。
その後、子宮内へと移動、そして卵管へとたどり着きます。
放置すると卵管炎等を起こし卵管がふさがってしまったり、
卵管周囲にも炎症を起こし癒着します。
【 子宮内膜症 】
子宮内膜症とは、子宮の内側にある子宮内膜組織が、
その他の臓器に発生し、増殖してしまう病気です。
月経期になると子宮内膜は剥がれ落ち、生理的出血として排出されます。
他の臓器に発生したものは、排出される場所がないため、
出血した血液はその臓器の内部にたまってしまいます。
毎月出血が繰り返されることで、その部分が炎症をおこしたり、
他の臓器や組織と癒着したりさまざまな症状を引きおこします。
これが卵管で発生すると、卵管癒着につながります。
生理痛がだんだん辛くなってきて、鎮痛剤の使用量が増えている方などは、
子宮内膜症の疑いがあります。
卵管だけではなく、子宮の筋層やおこると着床障害、
卵巣内だとチョコレート嚢胞とよばれる排卵障害をおこすことがあります。
以上大きな原因をあげましたが、
他にも虫垂炎など骨盤内の手術を受けた経験がある方、
子宮筋腫や卵巣のう腫による開腹手術などが原因になり、
卵管周囲の癒着がおこることがあります。
まとめ
卵管は卵子、精子、そして受精卵の通り道です。
原因の一つであるクラミジア感染症は、
気づかないうちにかかっている場合も多く、
自覚症状がほとんどありません。
クラミジア感染症での男性の症状は、
排尿痛や粘り気の少ない膿が尿道口からでる場合があります。
パートナーといっしょに完治させることも重要な病気です。
気になる症状がある場合は、
医療機関に相談されることをおすすめします。