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妊活におすすめの漢方は?購入方法や保険適用についても解説

コラムイメージ写真

生活習慣の改善や事前のからだ作りなど、様々な方法で妊娠を目指す妊活。

そんな中でも自然妊娠や体質改善などを目指す方々に注目されているのが漢方です。

今回は、漢方とはどのようなものなのか、不妊治療と漢方には関係があるのかといった疑問から、漢方薬の購入方法、保険が適用されるのかを調べました。

まずは漢方について解説していきます。

そもそも漢方ってどんなもの?

漢方という言葉自体は普段から耳にすることがあるかと思いますが、その意味や使い方までは知らない方が多いのではないでしょうか。

漢方とは古来、中国から日本に伝わり発展してきた伝統医学のことを指します。

その特徴としては、1つ目に「からだの細かい症状をもとに体質を判断・治療を行う」という点です。

西洋医学では検査などで病名を明らかにして治療を進めていきますが、漢方はそれとは異なります。

また、1度に2~3種類の漢方を使用することもあります。

2つ目の特徴は「気(き)・血(けつ)・水(すい)」の概念です。

漢方では人のからだは気(エネルギー)・血(血液)・水(血液以外の液体)の3つがお互いに影響し合って、バランス良くめぐっていることがとても大切である、という考えです。

3つ目の特徴は漢方薬は「生薬を組み合わせて作られること」です。

西洋薬は主に科学的に合成されたものを使いますが、漢方薬は薬効のある植物や動物、鉱物などから作られた200種類以上にも及ぶ生薬を組み合わせて作られています。

中医学における妊活は一人ひとりに合った漢方薬を処方することで体質の改善を図るという考え方です。

そのため、からだ作りがとても大切な妊活において漢方は、妊娠のための手助けの手段の1つなのです。

参考:いまさら聞けない「漢方」とは?種類や診断について | NHK健康チャンネル

妊活におすすめの漢方は?

漢方といっても、その種類は数多くあるため何を使えばいいのか迷ってしまうと思います。そこで妊活におすすめの漢方を3つ紹介します。

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

先ほど紹介した気・血・水ですが、当帰芍薬散はこのうちの「血」を補うとされています。

漢方では、血の流れや量が不十分な場合に正常な生理が起こらなくなる、という考え方なのです。

また、血の量が少ない人はからだの隅々まで栄養素や熱が行かず、足腰の冷えなどの症状も現れます。

当帰芍薬散はこのような足腰が冷える、生理不順があるなどの悩みに効果的な漢方薬です。

具体的には大切な栄養素を全身にめぐらせるとともに、血行を良くしてからだを内側から温め、ホルモンバランスを整える作用があります。

それに加えて水分の代謝を整えることによって余分な水分を体からとり除き、足腰の冷えや生理不順の改善が期待できます。

他にもむくみの改善、耳鳴りやめまい、頭痛の改善などに効果があります。

加味逍遙散(かみしょうようさん)

加味逍遙散は、漢方における「気」を全身にめぐらせるとともに、不足している「血」を補うものです。

血流をよくする生薬や上半身の熱を冷ます生薬などを配合しているため、血液の循環を良くすることでたまった熱を冷やし、からだのバランスを整えます。

主な効能としては冷え性の改善や交感神経の興奮によるイライラや不眠症などの神経症状の改善、自律神経の調整などがあります。

また他にも抑うつ症状の改善や月経不順・生理痛・PMSの改善といった効果も期待されます。

妊活を長く続けると、不安やストレスからイライラしてしまったり、ストレスによって体調を崩してしまうこともあるでしょう。

加味逍遙散はそのような精神的な負担を減らす効果が期待できるため、妊活がより進めやすくなる可能性があります。

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

桂枝茯苓丸は、漢方における血の滞りの改善と、滞りからくる上半身ののぼせ・下半身の冷えの「冷えのぼせ」状態の改善を図る漢方薬です。

血の滞りは冷えのぼせからくる足冷えや重い生理痛に繋がってしまいます。

そのため、桂枝茯苓丸を用いて血の巡りをよくすることでこれらの改善を期待できるほか、シミやニキビができやすいなどの女性の悩みにも効果が期待できます。

シミやニキビ以外にも湿疹・皮膚炎、しもやけなどの皮膚トラブルの改善に効果が期待できます。

今回紹介した3つの漢方薬は、婦人科の三大漢方薬と呼ばれています。

それぞれに様々な効能があり、妊活における体質改善の大きな手助けになるかもしれません。

不妊治療と漢方の関係

ここまでは妊活における漢方の効果について見てきましたが、ここからは不妊治療の場合は漢方を使えるのか?効果はあるのか?という点について考えていきましょう。

まずは検査をして西洋医学的になにか問題がないかを調べる

漢方薬には、こころとからだのバランスを整える効果や、体質の改善効果がありますが、卵管閉塞や無精子症、大きな腫瘍など具体的な不妊原因がある場合は、漢方薬だけでの効果は見込めません。

そのためまずは、産婦人科にて不妊症の原因を調べることがとても大切です。

検査の結果、具体的な不妊の原因が見つからない場合でも、自身のからだがどのような状態なのかを把握することで、より自分に合った漢方薬を見つけることもできるでしょう。

特に33歳以上の方は妊娠の確率が下がり始めていること、流産のリスクが増えてきていることから、事前の検査がとても重要です。

西洋医学の不妊治療と併用する

不妊治療にはいくつか種類が存在しますが、治療によっては副作用が出てしまうこともあります。

不妊治療の副作用は、たとえばめまいや頭痛などのからだの不調となるものや、ホルモンバランスの崩れからくるイライラなどです。

これらを漢方は軽減する効果があります。

また生理周期の安定や生理異常の改善効果がありますので、不妊治療を進めやすくする効果が期待できます。

また、不妊原因の検査の結果、具体的な原因が見つからない「機能性不妊」の場合、漢方によって体質改善をすることが効果的なこともあります。

このように、不妊治療の手助けとして漢方を用いることが妊娠しやすいからだ作りに繋がっていきます。

妊活におすすめな漢方はどこで購入できるの?

最近では漢方はドラックストアや通販でも多く見かけるようになってきました。

ですが気軽に購入できる一方、その漢方が自分のからだに合っているのかを判断するのはなかなか難しいです。

そこで、おすすめの購入方法を紹介します。

病院を受診して処方を受ける

病院で医師が漢方薬を処方することも増えています。

また、医師に処方してもらうことで健康保険が適用できます。

保険適用をすることで金銭的な負担を軽減できるのは、妊活においてとても助かります。

一部保険適用外の漢方もあるため、保険が適用される漢方薬があるか、不妊治療に積極的に漢方薬を使用しているかなど、事前にクリニックに相談することをおすすめします。

漢方薬局で購入する

薬局の中には、漢方薬局というものがあります。

漢方薬局とは薬剤師が患者さんの生活や体質を聞き取り、体質改善のための個人に合った漢方薬の提案や、オリジナルの配合薬が提供できる薬局です。

また、漢方薬を専門的に取り扱っている薬局のため、漢方薬の種類が豊富で選択肢の幅も広くなります。

さらに、より個人の体質に合った薬を選んでもらうことができ、早い体感が期待できます。

しかしこちらは基本的に保険適用外のため、症状によって金額は異なりますが費用が1日あたり大体300~800円ほどになります。

漢方薬局を選ぶ際には、事前に口コミやHPにてカウンセリングが丁寧か、実績や通いやすさ、専門資格者がいるかなどを調べるようにしましょう。

漢方体験談

最後に、実際に漢方を使い30代で妊娠した方の体験談を紹介します。

日付:2017年8月26日 年齢:33歳 第1子をご出産

経験した不妊治療:人工授精

1.ご来店のきっかけとご相談までのお気持ちは?

結婚して2年、そろそろ赤ちゃんが欲しいな…と思っていたいた頃

日々の仕事のストレス等で、生理が不順だったり、とても体が疲れていました。漢方で、体質が改善されたら赤ちゃんも授かりやすいのではと思い、相談に行きました。

2. ご相談されてみていかがでしたか?

とても丁寧にカウンセリングして頂き、安心しました。

毎月毎月、生理が来ると落ちこんでいたのですが、明美先生が優しく励ましてくださり、信じて赤ちゃんを待とうと明るい気持ちで過ごすことができました。

3. お薬を服用されてからの経過はいかがでしたか?

まず、生理の経血の質の変化に驚きました。

服用前は黒っぽく、ドロドロしていましたが、服用後は赤くさらさらとしてきました。血の巡りが良くなったのかなぁと感じました。

4. 現在のお気持ちをお聞かせ下さい。

赤ちゃんと過ごす毎日は、たくさんの幸せであふれています。

息子が産まれたことで、両親や家族がとても嬉しそうにしてくれたことが何より幸せです。

5. 同じように悩んでいる方へのメッセージをお願いします。

終わりの見えない妊活に不安を感じてしまうこともあると思います。私も、友人の妊娠を素直に喜べないこともあったり、気持ちが後ろ向きになることもありました。

しかし、すくすくと成長する息子を見るたび、あきらめずに漢方や妊活を続けてよかった!と思います。

まとめ

今回は漢方について紹介してきましたが、その種類や使い方など、疑問を解消していただけたでしょうか。

普段私たちが病院で処方されるものやドラックストアで購入するものは、西洋医学のものが多いと思います。

そのため漢方はあまり馴染みがなく、使ったことがない方もいるでしょう。

漢方は正しく使うことで妊活の手助けになるほか、普段の生活においても使用することで体質の改善などに役立ちます。

妊活や健康になる選択肢の1つとして、ぜひ漢方を検討してはいかがでしょうか。

本記事の執筆者

ベビーライフ研究所編集部

ベビーライフ研究所編集部
ベビーライフ研究所では、妊活に取り組む多くのご夫婦に向けたタイミング法キットや栄養補給サプリメント等の商品を取り扱っています。
私たちが長年培ってきた妊活の知識や経験を活かして、より多くの方に正しい情報を発信いたします。

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本記事の監修者

矢野間 明美(やのま あけみ)
春日部第一薬局 子宝相談・婦人科相談・漢方相談担当
薬剤師・漢方薬生薬認定薬剤師・自然薬師
国立健康栄養研究所 栄養情報担当者(NR)
NRサプリメントアドバイザー
日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー

漢方相談に携わって32年。女性のお悩みを中心にご相談をしております。 中でも、子宝相談は特に多くの方から相談を受け、 現在まで沢山のうれしい報告を頂いております。
最近、医療技術の進歩と研究により、難しいと言われていた方達にも希望の光がさしてきました。 しかし、反面、妊娠することだけがゴールになってしまうことに危惧を感じています。
私は、赤ちゃんを授かるまでの身体作りはもちろんのこと、出産後の子育てのお手伝いも出来ればと思っています。 3人の子育ての経験をもとに、気軽に悩みを打ち明けられる場でありたいと思っています。
あなたのもとにやってきた大切な赤ちゃんです。 大事に育てていきましょうね。

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