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シリンジ法で障がい児が生まれる可能性について【不安解消コラム】
本記事の監修者
藤本 彩巴(ふじもと あやは)
胚培養士。宮城県出身。
山形大学農学部食料生命環境学科卒業。
妊活を進めていく中で、毎月のタイミングをとるのが難しいためシリンジ法を試してみたいと思う方は多いと思います。
でもパートナーや周りの人から、障がいのある子どもが生まれたりするんじゃないの?シリンジなんかで妊活とかだいじょうぶなの?と言われ不安に感じている方はいませんか?
今回はシリンジ法で障がい児が生まれる可能性についてと、その他シリンジ法で不安に思うことについて説明します。
そもそもシリンジ法とは?
シリンジ法とは、男性がマスターベーションで採取した精液をシリンジという針のない注射器のようなものを使って、排卵期に女性の膣内に注入するという方法です。
基本的に受精の過程は自然妊娠との違いはありません。
シリンジ法について詳しくはこちらをご覧ください。
シリンジ法で障がい児が生まれる可能性
シリンジ法を行った際に障がいのある子どもが生まれる可能性についてですが、シリンジ法はクリニックでも採用されている安全な方法のひとつです。
また先ほど紹介したように精液をシリンジを使い注入する以外は、自然妊娠と同じプロセスで受精・妊娠に至ります。
そのためシリンジ法によって障がいのある子どもが生まれる可能性は、自然妊娠と変わらないと考えられます。それよりも障がいのある子供が生まれる可能性に関係してくるのが年齢です。
年齢が高くなると卵子の染色体異常の数が増えていきます。この染色体異常は障がいのひとつであるダウン症の要因の1つのため、高齢出産になると発症のリスクが上がります。
また染色体異常は流産のリスクにも繋がります。
※タイミング法キットはシリンジ法のキットと同じものです
シリンジ法のキット使用の先輩ママの体験談
シリンジ法のキットを実際に使用し妊娠することができた先輩ママの体験談をいくつか紹介します。
1人目の体験談(20代 女性)
初めてのシリンジに挑戦しました。
事情があり月一回しかタイミングが取れず、病院で排卵日を診てもらいながら、半信半疑ではありましたがシリンジ法をやってみました。追加購入なしで、5ヶ月目で授かることができました。その5ヶ月間、月一回のシリンジ法のみです。
2人目の体験談
夫婦共に機能的面で障害があったため、2月に初めてこちらを使ってタイミングを行いました。正直あまり期待してなかったんですが、奇跡的にすぐに妊娠。先日元気な男の子を出産しました(^^)
その他、シリンジ法のキットを使用して妊活をされたことのある方の下記体験談記事も是非ご参考にしてみてください。
【結論】シリンジ法で障がい児が生まれる可能性は、自然妊娠と変わらない
ここまで紹介してきたように、シリンジ法は精液を容器に採取し膣に注入するという方法以外は受精・妊娠のプロセスが自然妊娠と変わりません。
そのため妊娠率や障がい児の生まれる可能性などは基本的に自然妊娠と変わらないため、安心して使用することができます。
パートナーとのタイミングが合わない場合や疲れている際など、状況に応じて使い分けつつ妊活に組み込んでみてはいかがでしょうか。
よくあるシリンジ法への質問
精子は空気に触れると死んでしまわないの?
精子は空気に触れると死んでしまう、という話を聞いたことがある方はいませんか?
シリンジ法では一度精液を採取するために容器に出すため、この点が少し不安に思われる方もいるかもしれません。
この話は少し誤った認識であり、精子は精液に守られているため、基本的には空気に触れてもすぐには死にません。
しかし、精液の液体が完全に乾くと死滅してしまうため、シリンジ法において精液を採取した際はすぐに膣に注入するようにしましょう。
精液の保管はできるの?
精子の死滅に加え、射精からの時間経過による弊害はもう1つあります。それが精子の運動能力の低下です。
精子の運動能力は射精後、時間とともにどんどん下がっていってしまいます。
運動能力が下がると、精子が卵子にうまく辿り着くことができなくなってしまい、うまく妊娠する確率も下がります。
そのため、シリンジにて精液を吸い上げたら、なるべく早めに膣に注入しましょう。
またクリニックで精子の運動率や直進率を調べる際でも射精後1~2時間以内ですので、どうしてもすぐに注入できない場合はこの時間を目安に行いましょう。
シリンジ法で本当に妊娠するの?
シリンジ法は近年注目されてきている比較的新しい方法でもあるため、本当に妊娠するのか不安な方もいるでしょう。
ですがここまで紹介してきたように、シリンジ法は基本的に自然妊娠と変わらないため、同じ程度の妊娠率が望めるものです。
また、性機能障害の方には人工授精・体外受精の治療が選択肢になりますが、それ以外にも、シリンジ法が有用とされています。
国内の最近の報告では、性機能障害208組のカップルのうち、144組のカップルがシリンジ法を選択し、そのうち58組が妊娠成立しました。
身体面で自然妊娠が困難な方にはシリンジ法が向いていないケースもあるため、まずは検査によって自身のからだに異常がないかを調べてから取り組むとよいでしょう。
本記事の執筆者
ベビーライフ研究所編集部
ベビーライフ研究所では、妊活に取り組む多くのご夫婦に向けたタイミング法キットや栄養補給サプリメント等の商品を取り扱っています。
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本記事の監修者
藤本 彩巴(ふじもと あやは)
胚培養士。宮城県出身。
山形大学農学部食料生命環境学科卒業。
生殖補助医療胚培養士資格、体外受精コーディネーター資格を取得。生殖細胞の操作以外にも、患者様夫婦とお話をする機会があり、その際、不要な治療を続けているご夫婦が多いことに気がつき、現在は食事・運動・睡眠の見直しを促す発信をしている。不妊治療はあくまでサポートであり、対処療法に過ぎないため、本来の身体の機能を最大限発揮できるようなポイントを、ご本人の生活に寄り添った内容でお届けしている。