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タバコやサウナはNG?妊活男性のストレスが精子に与える影響と解消法

コラムイメージ写真

不妊の原因の半分は男性にあると言われるようになってから久しい昨今、不妊の悩みを抱える夫婦は増加の傾向にあると言われています。

男性不妊の原因として無精子症、乏精子症、精子無力症等の精子に問題がある場合が挙げられていますが、これらの症状の具体的な原因を特定するのは難しいのが現状です。

日々の仕事、人間関係、そして家族の将来。いろいろと悩みをため込みがちな現代のライフスタイルでは、さまざまな場所で「ストレスによる弊害」が語られます。そして、その影響は、妊活力にも……?

心身ともに抑圧された生活は、多種多様な形で身体の変調にあらわれます。もちろん、精子も例外ではありません。では、そんな毎日を続けると、どんなことが起きるのか。この記事では、ストレスが妊活に与える影響や男性の精子の質への関係についてお伝えします。

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不妊は男性側にも50%の原因があった!男性が知るべき不妊の実態とは

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精子の「品質」とは?

さて精子とストレスの関係の前に、妊活基礎知識として、精子の品質について確認しておきましょう。

一回の射精では2〜5億も精子が放たれるものの、卵管膨大部まで辿り着ける精子はごくわずかです。

たとえば、不妊治療でクリニックの精子検査を受けると、まずは精子の数と、運動率(精液の中の精子がどれだけ運動しているか)がチェックされます。

つまり精子の品質は、「精子の数」と「精子の運動率」の2点が重要なポイントとなります。

  • 精子の数

精子の数ですが、卵子へと辿り着く以前に大半が脱落するわけですから、量が少ないよりは多いに越したことはないということはお分かりになるでしょう。

  • 精子の運動率

個人差はありますが、精子は35歳を過ぎると、少しずつ劣化していきます。正常な精子の運動率は55%以上と言われています。

卵子は、卵管の最も奥深い場所で待っています。精子の動きが悪いとそこまで辿り着くのが難しくなります。

心配事で眠れなかったり、イライラして暴飲暴食に走ったり、糖分や脂質の多い食事やアルコールで紛らわせようとしたり。生活の質の低下は免疫力の低下などを招き、ひいては精子の減少につながることもあります。また、過度のストレスで性欲自体が減退してしまったら、元も子もありません。

さらに、喫煙は精子のDNAに傷を付けるとも言われていますので、妊活中ならぜひとも避けたいところ。

禁煙は、健康的な生活への第一歩と言えますが、その上で、上手にストレスを発散できる環境を整えたいものです。

精神的ストレスによる男性不妊

妊活で重要な「精子の質」を左右する要因は、もちろんさまざまなものが考えられますが、中でも注目したいのが、ストレスとその原因です。

ひとことでストレスと言っても、本人は自覚していないこともあるでしょう。特に、多忙な日々を過ごす働き盛りの男性は、いちいち確認している暇もないかもしれません。

ストレス源は、身の回りにたくさんあります。たとえば、

・仕事で重要な役割についているとき
・残業
・人間関係
・経済的な悩み
・妊活のプレッシャー

など。まずは自分自身のストレスと向き合い意識してみることから始めましょう。

特に現代社会において職場におけるストレスは、男女問わず多くの人が感じていることではないでしょうか。ストレスを抱えているということは、睡眠時間や食生活など生活習慣にも悪影響で、生活リズムも不規則になりがち。こうした生活が続くと、身体はどんどん痛めつけられていきます。

男性の場合、精神的なストレスを受けると精子の量が少なくなったり、運動率が落ちたりする可能性がある他、性欲の減退などが起こると言われています。

これは精神的なストレスを受けたことによって、精巣で作られる男性ホルモン(テストステロン)の分泌量が減少することによって起こると考えられています。

テストステロンは生殖機能に直接的に関与するホルモンで、テストステロンの分泌量が減少すると精液・精子の質・量にも影響が出る他、性欲、勃起力にも良くない影響が出ることになってしまいます。

また、テストステロンは生殖機能だけではなく、筋肉の増加、内臓脂肪の抑制、動脈硬化の抑制など肉体の男性らしさや、やる気、決断力、判断力といった精神的な男らしさにも影響を与えます。男性らしさを司るホルモンのため、テストステロンが減少すると肉体的、精神的にも悪影響が出てしまいます。

また心配事で眠れなかったり、イライラして暴飲暴食に走ったり、糖分や脂質の多い食事やアルコールで紛らわせようとしたり。生活の質の低下は免疫力の低下などを招き、ひいては精子の減少につながることもあります。また、過度のストレスで性欲自体が減退してしまったら、元も子もありません。

さらに、喫煙は精子のDNAに傷を付けるとも言われていますので、妊活中ならぜひとも避けたいところ。

禁煙は、健康的な生活への第一歩と言えますが、その上で、上手にストレスを発散できる環境を整えたいものです。

妊活中の男性は、「食事」「睡眠」「運動」という健康的な暮らしの基本を見直し、早寝早起き、バランスのよい食事、適度な運動を心がけることが重要です。これらは、妊活の味方にこそなれど、敵になることはありません。

ストレス以外での原因や対策についてはこちら
https://babylife-lab.com/columns/archives/299

精神的ストレスを上手に解消するには?

精神的なストレスが精液の質・量に大きく関わるということは理解できましたが、社会の一員としてストレスが皆無な環境はありえません。むしろ適度なストレスは程よい緊張感を生み、仕事でも私生活でも良い結果につながることが考えられます。そこで重要となるのがストレスを上手に発散することです。

主なストレス発散の方法を挙げてみます。

睡眠をしっかり取る

激務が続いたりすると精神的にはもちろん、肉体的にも疲労しているはず。ストレス解消にはしっかりした睡眠で疲労を取ることが必要です。国際的な研究によると、精子を最も良い状態に保つには7時間の睡眠がベストと考えられています。

趣味を楽しむ

仕事や人間関係を忘れて趣味に没頭するとストレスを発散できます。

運動する

適度な運動は、身体だけでなく精神的にも良い効果をもたらします。特に筋トレをするとテストステロンの分泌が増えるので、筋トレもおすすめです。

ストレスが溜まるとお酒を飲んだり、いわゆるヤケ食いをしてたりしてストレスを解消しようとする人もいますが、度を超えた飲酒、やけ食いは身体にとっても精神的にも逆効果ですので、注意しましょう。

タバコやサウナはNG!男性不妊の原因となり得る生活習慣に要注意

ストレスと男性不妊の関係について見てきましたが、精液や精子の質・量に影響を及ぼす可能性があるのはストレスだけではありません。普段の生活の中で何気なく行っている習慣の中で、男性不妊の原因になる可能性があるものを挙げてみます。

タバコを吸う

タバコは百害あって一利なしと言われ、健康に良くないことは知られていますが、もちろん精液・精子にとっても同様に良いことはありません。タバコを吸っている人は吸っていない人と比較して精子の数が10~17%程度少なく、精子の運動率も低下すると言われています。

妊活だけではなく、赤ちゃんを授かってからもタバコは副流煙の問題等があり、赤ちゃんにとっても奥様にとっても好ましい習慣ではありません。

熱いお風呂、サウナ

精子は精巣(睾丸)で作られますが、なぜ陰嚢は精巣を袋状に収めた状態で体外にぶら下がるのでしょうか?それは精子が熱に弱いからです。精子にとって最適とされる環境は体温よりも若干低い、32~34℃位の温度だと言われています。つまり、精巣が体外にあるのは冷却が目的なのです。

男性不妊の方は精巣に熱を与える生活習慣がないかどうか、考えてみてください。例えば、熱いお風呂、サウナが好き、等の習慣は直接精巣に熱を与えてしまうため、精巣が正常な精子を作る働きを妨げる可能性があります。

熱いお風呂ではなくぬるめのお湯でゆっくり入浴をする等、意識して習慣を変えることも必要です。ただし、長すぎる入浴は体温上昇になるので、注意が必要です。

膝の上でパソコンを操作する

忙しいビジネスパーソンは外出先や移動中等、ノートパソコンを膝に乗せて作業することがあるかもしれませんが、実はそれが男性不妊の原因になっているかもしれません。理由は熱いお風呂と同じ、ノートパソコンの発熱が精巣に熱を与えてしまうことです。また、スマホをズボンのポケットに入れることも問題視されてきています。

食生活にも注意

海外の報告では食生活においては肉類より魚類を摂り、豆類などを摂取するいわゆる地中海食といった食事が精子に良いと考えられています。これは、日本食とも似ており、魚や納豆などをバランスよく組み合わせながら献立を考える事が推奨されます。
一方で、食生活男性不妊を改善するために家庭では食事に気を使っていても、ランチや外食等は無頓着、ということが良くあります
外食の揚げ物や油っこいメニュー等は精子に酸化ストレスを与えてしまうことが考えられます。また、コンビニ弁当やインスタントラーメン等に含まれている食品添加物が、精液や精子の質・量に悪影響を及ぼす可能性があると言われていますので、ランチや外食を含めた食生活を意識するようにしてみて下さい。

男性妊活に重要な造精機能を維持するために

男性の身体は思春期からずっと精子を作り続けています。しかし、造精機能そのものが常に一定に維持されるわけではありません。

最近は、「高齢出産」という言葉をよく耳にするようになりましたが、かつて「初産は早めに」と言われたのは、生殖機能を心配してのことなのです。

個人差はありますが、一般的に言って、女性の卵巣機能は35歳前後から低下すると言われていますがこれと同様に、年齢は男性妊活にも関係します。

こちらも人によって差はありますが、男性は45歳くらいから造精機能が衰え始めるとされています。男性ホルモンの「テストステロン」の分泌量の低下は30歳前後から始まるようですが、女性に比べて機能低下は緩やかなので、40代半ばくらいが目安になるわけです。

30〜40代と言えば、ストレスに苦しみやすくなる年代にピタリと当てはまります。したがって、衰えゆく生殖機能をできるだけ維持するためにも、規則正しい生活習慣が重要になるのです。

ストレスと向き合う方法【体験談】

妊活をしている方であれば、仕事以外でも、通院やタイミング法などでストレスを感じている方もいると思います。

タイミング法のストレス軽減方法として、シリンジ法(シリンジ法とは:https://babylife-lab.com/columns/archives/55を検討してみることや、通院と仕事の両立で困られている方は、厚生労働省の不妊治療連絡カードhttps://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/pamphlet/30.html)を用いて会社に相談し、勤務体制について協力していただくなど新たなアクションをしてみることなどで、少しでもストレスを軽減させてみてはいかがでしょうか。

また、実際の妊活におけるストレス解消体験談として、

「私は次の周期は妊活休もう!と決めて解放されて気分ルンルンで翌月の予定(妊活中できないアクティブな)決めてたら妊娠してました(笑)私は自覚ありで、毎月ストレス溜まってました。ただこれだけが原因じゃないと思うけど、諦めたら授かったとよく聞くのは気持ち面でストレスが減ったというのが関係するのかなと思ってます」

参考:https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11246999821?__ysp=5aaK5rS744CA44K544OI44Os44K5

「妊活にストレスは良くないって看護師さんに言われたのでストレスが溜まると、治療の合間をぬって主人と一泊で近場の温泉へ出かけたり。(コロナ禍なので遠出は避けていました)続けていてよかったなと思うのは、定番だと思いますが

◎サプリ(葉酸・ビタミンD・ラクトフェリン・移植前にカルニチン・コエンザイムQ10、主人は亜鉛とマカ)◎軽い運動(といってもウォ―キングやストレッチレベルですが・・・)体を動かすことでストレス発散もできていたかも◎妊活以外のことにも目を向ける(追い込みすぎるとストレスが溜まる一方なので)」

参考:https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14247768479?__ysp=5aaK5rS744CA44K544OI44Os44K5

「人工授精してた際は、治療のことばかり考えてました。ストレスは仕方ありません。言われてたのは自分なりのストレス発散を見つけること!らしいです。私は大好きな外食、旦那との旅行でした。」

参考:https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14232069749?__ysp=5aaK5rS744CA44K544OI44Os44K5

上記のように、皆さんも自分なりに、ひと妊活をお休みしたり、プチ旅行や温泉に行く、おいしいものを食べる、軽い運動をするなど、それぞれのストレス発散方法を見つけて、妊活をしていたようです。

ですので、現在妊活においてうまくストレスを発散できていない方は、夫婦で相談して休みの月を作ることや、自分が何も考えずに無我夢中になれること探してみる事も一つの手段なのかもしれません。

亜鉛でテストステロン分泌増加、抗酸化成分で精子を酸化から守る

男性不妊のセルフケアとしては、テストステロンの分泌を活性化させる働きがある亜鉛や酸化に弱い精子を守る働きがあるビタミンEやコエンザイムQ10等の抗酸化成分を摂取するのが良いでしょう。

これらの成分は食事だけで摂取しようとすると、十分な量を食事から摂るのが難しいため、サプリメントを活用することをお勧めします。

本記事の執筆者

ベビーライフ研究所編集部

ベビーライフ研究所編集部
ベビーライフ研究所では、妊活に取り組む多くのご夫婦に向けたタイミング法キットや栄養補給サプリメント等の商品を取り扱っています。
私たちが長年培ってきた妊活の知識や経験を活かして、より多くの方に正しい情報を発信いたします。

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本記事の監修者

二宮 英樹(にのみや ひでき)

二宮 英樹(にのみや ひでき)
医師、データサイエンティスト。福岡県出身。東京大学医学部卒業。専攻は公衆衛生学。
東京大学医学部卒業後、関西医科大学枚方病院、セレオ八王子メディカルクリニックなどで診療に従事。薬や手術に頼るだけではなく、コミュニケーションや触れ合いを活かした診療をモットーに患者との対話を重視する一方、データサイエンティストという異色の肩書きを持ち、医療技術や医薬品などの有効性について原典にあたり、評価手法やデータの有効性について常に確認を欠かさない。
地域包括ケア研究所にて医療局長を務め、医療者として地域社会のひとりひとりのための医療や正しい知識の普及活動に従事している。これまでヘルスケアメディアを通じて、正しく、分かりやすい健康情報の発信に携わってきており、医療や健康は一人ひとりの個人差がとても大きいため、個人にあわせた情報を記事で発信することの難しさを実感。情報を丁寧に紐解くことで、自分にあった正しい情報が分かるような発信を心がけている。

江夏 徳寿(えなつ のりとし)

江夏 徳寿(えなつ のりとし)
医師、英(はなぶさ)メンズクリニック 院長。鹿児島大学医学部卒業、神戸大学大学院医学研究科卒業。生殖医療専門医。泌尿器科専門医。指導医。
大学卒業後、済生会福岡総合病院にて研修医として従事。その後亀田総合病院にて泌尿器科後期研修医プログラムを終了し、より専門的な分野を学ぶために神戸大学附属病院へ転職。
男性不妊を専門として臨床経験を積む傍ら、神戸大学大学院へ進学し研究にも従事した。
大学院卒業後は神戸大学にて教鞭をとりつつ、泌尿器科全般の臨床に従事し、腹腔鏡手術の技術認定医も取得。
神戸医療センター西市民病院副医長を経て、専門分野をより深く極めるために英ウィメンズクリニックへ就職。
男性不妊に留まらず、不妊をトータルで診療するために、婦人科診療も行っている。

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