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膣内射精障害とは?原因や治療&改善方法について
本記事の監修者
藤本 彩巴(ふじもと あやは)
胚培養士。宮城県出身。
山形大学農学部食料生命環境学科卒業。
妊活を進めていく中で、性交渉中に射精することができず妊娠が目指せない、ということがあります。
この症状を「膣内射精障害」と言い、妊活が進まなくなってしまう大きな要因として、悩んでいる男性も少なくありません。
今回はそんな膣内射精障害について悩まれている男性・カップルの皆さんに向け、その原因や詳しい症状、改善方法について紹介していきます。
膣内射精障害とは
膣内射精障害とは男性不妊の一種で、マスターベーションでは射精できるのにも関わらず、性交渉の際に膣内に射精が出来なくなってしまう状態のことを指します。
膣内射精障害になってしまうと、性交渉で自然妊娠を目指すことが難しくなってしまい、妊活に支障をきたしてしまいかねません。
では、どうして膣内射精障害になってしまうのでしょうか?
膣内射精障害の原因
膣内射精障害には、身体的と心理的の大きく2つの原因が考えられます。
ここからはその具体的な原因についてそれぞれ見てみましょう。
不適切なマスターベーション
身体的な原因で多いのが、不適切なマスターベーションの行い方です。
株式会社TENGAヘルスケアの調査によると、10代男性の10人に1人が不適切なマスターベーションを行っているとの結果が出ています。
また膣内射精障害予備軍は270万人にものぼると言われており、その深刻さがうかがえます。
不適切なマスターベーションとは、脚をピンと緊張させた状態で行う「脚ピン」と呼ばれる方法や、布団や床などにこすりつける「床オナ」と呼ばれるものです。
これらに加えて、通常の方法であっても強く握ってしまう「強グリップ」や、手を素早く動かす「高速ピストン」なども不適切です。
このような不適切なマスターベーションに慣れてしまうと、女性との性交渉時に射精ができなくなってしまう、というのが主な原因です。
心理的な問題
そして次に多いのが心理的な原因です。
妊活を進めていく中でなかなか妊娠ができないと焦りが出てきてしまい、性交渉や妊活そのものにプレッシャーを感じてしまうことが多くあります。
そういった心理状況になると、性交渉に集中できなくなってしまうほか、性交渉が義務的な行いに感じられ、膣内射精障害になってしまう可能性があります。
また、同じ射精でもマスターベーションのように1人ならできるが、1人じゃない状況である性交渉だとできない、という方もいらっしゃいます。
このように膣内射精障害には様々な原因があり、今現在行っている習慣が今後膣内射精障害を引き起こすことに繋がってしまうこともあるでしょう。
膣内射精障害の治療・改善方法
最後に、膣内射精障害の治療方法・改善方法についてご紹介します。
マスターベーションを見直す
先ほど紹介したように、膣内射精障害の原因の多くは不適切なマスターベーションによるものです。
マスターベーションは自身の行いやすい方法が習慣化されていると思いますので、まずは今の方法が不適切ではないか見直し、正しい方法に改善していきましょう。
夫婦のコミュニケーションをとる
妊活のための性交渉によるプレッシャーから妊活EDになるケースは少なくありません。
そのプレッシャーが男性にはあることを知り、性交渉を狭い意味での”挿入・射精”で捉えるのではなく、もっと広い意味で捉えられるようになること、日々の会話やスキンシップでお互いの愛情を確かめ合うことなども大切なポイントとなります。
排卵に合わせたタイミングを意識することから話して、お互いのペースでストレスの少ない夫婦生活を持つようにすることも、改善につながるポイントではないでしょうか。
薬物治療を用いる
膣内射精障害には薬物治療が有効な場合があります。
例えば勃起障害(ED)が伴う場合、ED治療薬で改善する可能性が見込まれます。
まずは自己判断せずに、薬物治療を行うか、どのような薬を使うか医師と相談し決めましょう。
アルコールや服用中の薬を見直す
薬物治療とは逆に、現在服用している薬が影響を与えている場合もあります。
そのため服用中の薬が射精や勃起等の機能に影響がないか、一度見直してみましょう。
また、過度なアルコールの摂取は射精障害の原因になりかねません。
マスターベーションや薬の見直しと合わせて、食事や生活習慣が規則正しいかの見直しも大切にしましょう。
クリニックでカウンセリングを受ける
ここまでいくつか改善方法をご紹介してきましたが、自身での見直しだけでは不安…という方もいるのではないでしょうか?
そんな時は、専門のクリニックを受診しましょう。
医師と相談、検査することで自身のどこに原因があるのか、これからどのように治療・改善していくのかを相談することができます。
またそれと合わせて、妊活自体の進め方を相談することもおすすめします。
まとめ
膣内射精障害は予備軍が270万人と言われているように、決して他人ごとではありません。
幸いなことに膣内射精障害は自身の習慣などを見直すことで改善が可能なため、まずは医師と相談し、適切な方法で直していきましょう。
近年はシリンジ法という性交渉を用いなくても妊娠を目指せる方法も普及しているため、そちらを視野に入れることも良いかもしれません。
ですが1番大切なのは、性交渉や妊活を「義務」として捉えないことです。
心理的原因を作らないという理由以外にも、パートナーを大切にする・前向きな気持ちで妊活を進めていくために、自身とパートナーの気持ちを大切にしていきましょう。
本記事の執筆者
ベビーライフ研究所編集部
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本記事の監修者
藤本 彩巴(ふじもと あやは)
胚培養士。宮城県出身。
山形大学農学部食料生命環境学科卒業。
生殖補助医療胚培養士資格、体外受精コーディネーター資格を取得。生殖細胞の操作以外にも、患者様夫婦とお話をする機会があり、その際、不要な治療を続けているご夫婦が多いことに気がつき、現在は食事・運動・睡眠の見直しを促す発信をしている。不妊治療はあくまでサポートであり、対処療法に過ぎないため、本来の身体の機能を最大限発揮できるようなポイントを、ご本人の生活に寄り添った内容でお届けしている。