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タイミング法のプレッシャーを乗り越えるには?妊活ストレスの原因やプレッシャー軽減法

タイミング法は、自然妊娠を目指して、最も妊娠しやすい時期に医師の指導のもとで性交を行う、不妊治療の1つとして最初に用いられる方法です。また自分たちで妊娠しやすい時期を予測して実践する場合もタイミング法といい、多くの方が取り組んでいる妊活方法です。
一見、取り組みやすく簡単な方法に思えるかもしれませんが、タイミング法を行うことがプレッシャーになり、負担に感じてしまうという方も少なくありません。
今回は、これからタイミング法に取り組む、または現在取り組んでいるカップルの皆さんに向けて、タイミング法がプレッシャーになる理由とその対策について解説していきます。
タイミング法がプレッシャーになる理由
タイミング法がプレッシャーになってしまう理由はいくつか考えられます。
まずはその原因について1つ1つ見ていきましょう。
行為をしなければならないという義務感
まず1つ目が「行為をしなければならないという義務感」です。
そもそも普通の性交にはその時の気分や疲れなど、様々な要因が関係してきます。
妊娠をするという目標はあるものの、タイミング法は女性の妊娠しやすい時期に合わせて行為を行うため、どうしても気分が乗らない時もあるでしょう。
そういった状態の中でタイミング法を進めていくと、「子供を作るための性交」という考え方になってしまうことがあります。
妊娠しやすいタイミングに合わせるということもあり、普段より重要な1回だ・大切にしなきゃ…とプレッシャーになってしまいます。
「失敗できない」と思ってしまう
義務感に加えて、1回の性交の重要さを考えるあまり「これでうまくできなかったらどうしよう…」と失敗に対するプレッシャーを感じてしまうこともあります。
女性の妊娠しやすいタイミングは基本的に月に数日だけのため、そのタイミングを逃したら次のチャンスは約1ヶ月後になってしまいます。
失敗への不安が募ってしまうと、プレッシャーなど精神的な影響から心因性EDという勃起不全になってしまうこともあり、行為そのものに悪影響が及んでしまう場合もあります。
周囲と比較し焦っている
妊活や不妊治療を続けていると、周りの妊活に取り組むご友人などのことも目に入りやすくなるでしょう。
特にタイミング法などの取り組みを長く続けていると、「周りはすぐに妊娠したのに、なんで私たちは妊娠できないんだろう…」と比べてしまいます。
このように周りと自分たちの状況を比較してしまうと、焦りや悲しさなどさまざまな感情からタイミング法へのプレッシャーを感じやすくなってしまいます。
タイミング法のプレッシャーを減らす工夫
ではこのようなプレッシャーはどのように減らしていけるのでしょうか。
ここで大切になってくるのが、タイミング法を行う中での様々な工夫です。
「排卵日」ではなく「妊娠しやすい期間」を意識する
タイミング法は「排卵日の1日」だけを狙わなければいけないわけではありません。
基本的に卵子の寿命は排卵後12〜24時間程度だと言われており、排卵された卵子はそのまま子宮の卵管という場所で精子と出会うことを待ちます。
加えて精子は女性の体内で2〜5日生存することが可能です。
つまり、卵子の寿命である12〜24時間に性交を合わせなくても、排卵日前後の数日間に行えば十分妊娠の可能性があるということです。
1回の性交の重要さを考えるあまりプレッシャーになってしまうという方は、「妊娠しやすい期間」として数日猶予があることを理解しておくとプレッシャーが減るかもしれません。
▼精子と卵子の寿命や受精の仕組みについて詳しくはこちらの記事をチェックしてくださいね。
夫婦で伝え方のルールを決める
タイミング法を実施する日を伝えることも、プレッシャーの一因になりかねません。
たとえば「◯日にするよ!」などと直接的に伝えると、その日を意識しすぎてしまいプレッシャーに感じる人も少なくありません。
このような事態を回避するには、どうやってタイミングを相手に伝えるか、夫婦で事前に相談しておくことが大切です。
具体的には、カレンダーにマークをつける・LINEでやんわり伝える、などが比較的負担の少ない方法かと思います。
タイミング法を始める際には、お互いどの伝え方が負担を感じないか、しっかりと話し合ってから始めるよう心がけましょう。
タイミング法にこだわりすぎない
タイミング法は比較的簡単に取り組める方法ではありますが、精子や卵子には何もしない、あくまで自然妊娠の確率を上げる方法です。
そのためタイミング法でなかなか妊娠しない、負担に感じてしまう場合にはシリンジ法や人工授精など、次のステップに進むことを検討するのも良いかもしれません。
例えばシリンジ法は、シリンジという針のない注射器のような器具で精液を膣に注入する、性交を用いないで妊娠を目指せる方法です。
こちらもあくまで自然妊娠の確率を上げる方法ではありますが、性交を負担に感じている方には良い方法と言えます。
自分たちにどのような方法が合っているのか、次はどのステップに進むかを明確にするためにも、クリニックで診察を受けることもとても大切になってきます。

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タイミング法による夫婦のすれ違いを防ぐ方法
そしてタイミング法を上手く進めるうえでとても大切なのが、夫婦のすれ違いを防ぐことです。
妊娠を目指すという行為は、実際に妊娠をする女性側だけの問題ではまったくありません。夫婦二人三脚で進んでいくためにも、すれ違いを防ぐよう心がけましょう。
ここからはその具体的な方法について見ていきます。
夫婦で妊活の考え方を共有する
まずは妊活に対する考え方を夫婦で共有するようにしましょう。
「今すぐに赤ちゃんが欲しいのか?」「できるだけ自然妊娠で進めていきたいのか?」こういった部分は実際の妊活の進め方にも関わってきます。
ここまでに紹介した、相手への伝え方のルールやどのくらいタイミング法に取り組むのかなども、この時点で共有しておくことですれ違いを回避することに繋がります。
お互いを尊重し合えるよう考え方を事前に共有しておきましょう。
「妊活のための行為」にしない工夫をする
プレッシャーの原因として「妊活のための行為」になってしまうことを紹介しましたが、このような義務感やプレッシャーが続くと夫婦仲にも影響しかねません。
目標として明確に妊娠を目指すことも大切ですが、子供を作るために行為をする、という意識ではなく、純粋に夫婦の時間を楽しむという意識もとても大切です。
また、妊活に取り組みながらもお互いを思いやるスキンシップやデートなど、夫婦としてアクティブな行いを意図的に増やすことも効果的です。
タイミングを逃したらダメだ、などと焦らず次があるから大丈夫、と気持ちを切り替えることを大切にしていきましょう。
すれ違いを感じたら、こまめに話し合う
すれ違いを加速させてしまう大きな要因は、「すれ違いを放置する」ことです。
義務的に感じることで妊活への気持ちが薄れてしまったり、逆にお互い気を遣い過ぎて何も言えなくなってしまうと、小さなすれ違いを蓄積させてしまうことに繋がってしまいます。
このような蓄積をしないためにも、すれ違いを感じたらその「小さな違和感」をこまめに話すよう心がけましょう。
自分が何に違和感を感じているのか分からない時でも、例えば「最近妊活のことで少しモヤモヤしてて…」と伝えれば原因が明確になっていくかもしれません。
お互いの不満がたまる前に、しっかりと話し合いを行いましょう。
妊活以外の時間も大切にする
妊活に集中しすぎてしまうと、リフレッシュして自分を休ませてあげる時間をつい忘れてしまいがちです。
妊娠率は年齢とともに下がっていってしまうという点を考えると、焦ってしまうかもしれませんが、時には体と心を休ませてあげることも非常に大切です。
例えば自分の趣味を楽しむ時間を設けることや、友人と会う、旅行に行ってみるなど、リフレッシュすることを忘れないようにしましょう。
また、夫婦間でもお互いに休めているのか気にかけて、一緒に出かけてみたりなど、妊活以外の時間も大切にするよう心がけましょう。
タイミング法に代わる妊活の選択肢
最後に、プレッシャーを減らす工夫の中で少し触れた、タイミング法に代わる妊活の選択肢について解説していきます。
人工授精
人工授精とは、洗浄濃縮した精子を、女性の排卵期に合わせて子宮内に直接注入するという方法です。
この方法のメリットは、精子減少症や精子無力症など、男性不妊症状がある方でも妊娠を目指せる方法であるという点です。
また、性交障害や勃起不全で自然妊娠が目指せない方が行うほか、精子に問題がないにも関わらず、タイミング法で妊娠しなかった方が次に進むステップとしても活用されています。
人工授精は不妊治療の中でも比較的安価で、からだへの負担も少ないため、次のステップとして視野に入れてみるのもいいかもしれません。
シリンジ法
シリンジ法とは、「シリンジ法キット」という針のない注射器のような専用器具を使い、マスターベーションで採取した精液を膣内に直接送り込む方法です。
こちらの方法のメリットとしては、性交をしなくても妊娠を目指せるという点のほか、自宅で気軽に、そして安価で行うことができるという点で近年注目されている方法です。

またタイミング法中に、せっかく妊娠しやすい期間が来たのに疲れやプレッシャーで上手く性交できない場合には、このシリンジ法を併用することで妊娠を目指すことができます。
このほかにも、タイミング法以外で妊娠を目指せる方法はいくつも存在します。
もちろん、それぞれの方法には向き不向きやメリットデメリットが存在しますし、中には費用やからだの負担が大きい方法もあります。
そのためまずは夫婦で妊活の方向性を確認し、何が良いのかクリニックでしっかりと相談するようにしていきましょう。
まとめ
タイミング法は比較的簡単に取り組める方法ではありますが、だからこそ自分たちで管理しなければいけない部分が多くあります。
年齢とともに妊娠率も下がっていくため、焦ってしまうこともあるかもしれませんが、夫婦でお互いのことを支え合い、自分たちのペースに合わせて進めていきましょう。
また、次のステップになかなか進めないという方も、まずは夫婦で話し合い、タイミング法に取り組む期限を決めることも良いかもしれません。
あくまでも目標は妊娠することですが、まずは自分たちの体を大切にしながら、無理なく進めていくことを心がけて取り組んでみてください。
本記事の執筆者

ベビーライフ研究所編集部
ベビーライフ研究所では、妊活に取り組む多くのご夫婦に向けたタイミング法キットや栄養補給サプリメント等の商品を取り扱っています。
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本記事の監修者

藤本 彩巴(ふじもと あやは)
胚培養士。宮城県出身。
山形大学農学部食料生命環境学科卒業。
生殖補助医療胚培養士資格、体外受精コーディネーター資格を取得。生殖細胞の操作以外にも、患者様夫婦とお話をする機会があり、その際、不要な治療を続けているご夫婦が多いことに気がつき、現在は食事・運動・睡眠の見直しを促す発信をしている。不妊治療はあくまでサポートであり、対処療法に過ぎないため、本来の身体の機能を最大限発揮できるようなポイントを、ご本人の生活に寄り添った内容でお届けしている。